皆様こんにちは、霜柱です。
東京宝塚劇場で雪組公演『夢介千両みやげ』『Sensational!』を観劇して参りました。
今回は、ショー・スプレンディッド『Sensational!』(作/演出:中村一徳)の感想を書いていきます。
中村一徳先生らしいショーだった
全体的にエネルギーに溢れていたので、観ていて元気が出てくるショーだったと思います。主題歌は中村先生お得意のロック調の曲です。ギターがジャーンと響き始めた時は、「おぉ、始まる」とワクワクしました。
ただ、もう少し欲を言うなら、サビがちょっとイマイチでした。もう少しノレるメロディにしてくれたらより良かったと思います。
また、映像がやや用意されていました。中村先生の作品はあまり映像を使っていないので、「中村先生も使う様になったのか」と思いました。
ただ、映像と言っても、ふんだんに使われている訳ではなく、各場面の始まりの方に映されているだけなので、映像と舞台、両方を追わないといけないという事は起きませんでした。
また、今作から雪組生となった和希そらさん、今作で退団する綾凰華さんの見せ場が多くありました。
特に綾さんは、ソロで歌う場面が2ヶ所もあったので、この場面は綾さんのファンならとても嬉しく思うでしょう。
特段目新しさはありませんが、中村先生の他の作品が気に入っている方なら、今作もお気に召すと思います。
場面ごとの感想
個人的に印象に残った事や気付いた事を書いています。
第1章 Sensational!
パーカッションの音で始まります。映像が使われており、高速でまばゆい光が流れていました。ちょっと高速道路のCMっぽかったです。
それが終わるとロック調のギターが響き曲が始まります。アップテンポでエネルギッシュな曲が良いですね。個人的にはそういうのが好きなので、始まった時は「待ってました!!」と言いそうになりました(笑)。
ただ、先にも書きましたが、悪くはないのですがサビが少しイマイチの様に感じたので、もう少し盛り上がりやすいメロディなら、より良くなったと思います。
男役の衣装は、彩風咲奈さんは黒と紫を混ぜた様な色の衣装、他の方々は銀色の衣装でした。
娘役は全員黒のポットパンツという姿で、ちょっと大胆でセクシーな印象を受けました。
第2章 Sensational Rhythm 喜び アフリカン
最初にジャングルの様な映像が流れます。
この場面は縣千さんと野々花ひまりさんが主要です。ダイナミックな縣さんのダンスと滑らかな野々花さんのダンスが目を引きました。
縣さんはソロで歌も歌いますが、やや活舌が悪く歌詞が聴き取りにくかったです。また、歌声が変に震えていた影響もあるのか、音程も怪しい所がありました。
第3章 Sensational Music 洗練 ニューヨーク
彩風さんや和希さんも登場し、盛り上がっていきます。
この場面では和希さんの踊りが特に目を引きました。宙組にいた時もお上手でしたが、雪組に異動してからより上手くなり、その影響か他の雪組生も踊りが上手くなったように観えました。
また、和希さんは彩風さんと少し絡んで踊る所もあり、息もピッタリ合っていました。
もう和希さんが雪組に完全に馴染んでいる事が、この場面からとても伝わってきたのが良かったです。
第4章 Sensational Love
晴れた日の海とお城の映像が流れます。「こんな場所が実際にあるなら行ってみたい」と思わせる綺麗な映像でした。
この映像をバックに朝美絢さんが1人で銀橋を渡りながら歌います。その後、夢白あやさんと組んで踊ります。
朝美さんは軍服姿で、夢白さんはピンクのドレスを着ています。
ただ正直に申し上げますと、この場面はあまり印象に残りませんでした・・・。
第5章 Sensational Wind 風神
鮮やかなアラビア風の衣装が特徴です。
最初は諏訪さきさんがソロで銀橋に登場して歌います。
その後彩風さんを始めとして、沢山の出演者が登場し舞台を盛り上げていきます。
この場面で1番印象に残ったのは、綾さんが1人銀橋に残って、ご自身で作詞した曲を歌われたという事です。
詳しい歌詞は忘れましたが、綾さんが宝塚で過ごしてきた日々について歌っていました。
今作で綾さんが退団するからという理由もあると思いますが、この綾さんの場面は観客の拍手がとても大きかったです。綾さんがファンからとても慕われているのが分かりますね。
第6章 Sensational Plasma Aurora
プラズマとオーロラをモチーフにしている場面です。
プラズマ側は黄金色の衣装、オーロラ側は緑と青の衣装になっていました。ただし、彩風さんと朝月希和さんは白の衣装でした。
この場面の踊りがとても綺麗で、特に目を引いたのは和希さんです。ここでも和希さんの踊りが本当に良かったです。遺憾無くその力を発揮し力強くも美しい踊りでした。
宙組にいた時よりも、伸び伸びと踊っている様に観えました。
この場面の終盤では、愛すみれさんの歌をバックに彩風さんと和希さんのみで踊ります。彩風さんと和希さんの絡みがまた観る事が出来て嬉しかったです。
ところでトップスターと3番手の踊りで場面を終えるというのは珍しいのではないでしょうか?
それほど、和希さんには雪組で活躍してほしいという思いが、込められているのかもしれませんね。
第7章 フィナーレ
夢白さんが上手から1人で登場してソロを歌います。正直歌に関しては縣さんと同じ様に課題がありますが、その美しく可憐な姿は本当に圧倒されます。
朝月さんはルビーレッドの様な色のドレスで登場します。大人っぽい雰囲気でした。
また、この場面でも綾さんにソロが与えられていました。銀橋で男役が1列に並んで歌った後、彩風さんと綾さんのみ残り、最初に彩風さんが歌い、綾さんへと続いたのです。
ここまで、綾さんに見せ場を作って下さった中村先生には本当に感謝しかありません。
綾さんのファンは観ていて、涙がこぼれた事でしょう。
その後も歌い継ぎが続き、最後は朝美さんが銀橋に出てきて終えました。
因みに歌い継ぎの歌はロシア民謡の「黒い瞳」です。この歌も哀愁がありメロディも良く、宝塚と非常に相性の良い曲でしたね。
『Sensational!』で特に印象に残った方々
和希そら
雪組に異動してからは3番手という立ち位置になりました。その為か宙組にいた時と比べると、出番が多く目立っている気がしたのです。
特に第3章と第6章の場面での踊りは目を引きました。彩風さんと絡みが多かったのも嬉しかったですが、何より和希さんが雪組に来てから、雪組のダンスが締まった様に観えました。
和希さんの力は大きいですね!
パレードではまだ3番手羽根は背負っていませんでしたが、今後背負う機会は来るでしょう。
綾凰華
綾さんは今作を最後に宝塚を退団します。その為か綾さんの見せ場がとてもありました。勿論今までも退団者に対して、演出家が見せ場やはなむけを設けてくれた事はあります。
しかし、(一応)4番手の綾さんにはかつての退団者(トップスター・トップ娘役・2番手スター・3番手スターなどは除く)と比べると、比にならないと思ったのです。
第5章と第7章ではソロを与えられ、とても目立っていました。ましてや第5章の歌は綾さん自身が作詞したのです。ここまで綾さんに対して見せ場を作ってくれたという事は、劇団側や組子からも愛されているという証拠でしょう。
客席からの拍手も綾さんが1番大きかったです。退団するからというのもあると思いますが、綾さんが人気のスターだからというのが1番の理由ではないでしょうか?
欲を言うなら階段降りは縣さんと2人ではなく、1人ずつ降りてきてほしかったですが、それを言ったらさすがにキリがありませんね。
退団後はどの様に過ごされるのかは分かりませんが、お幸せな人生を歩んでほしいと思っております。
野々花ひまり
今作では野々花さんにも結構スポットライトが当たっていたと感じたのです。今までは星南のぞみさんと彩みちるさんの陰に隠れてしまっていました。
しかし、前回の大劇場公演『CITY HUNTER-盗まれたXYZ-』『Fire Fever!』を最後に星南さんは退団、彩さんは月組へ異動しました。それにより野々花さんの見せ場が増えたと思うのです。
第2章では縣さんと共に主要のメンバーでしたし、第7章では彩風さんの相手役を夢白さんと共に務めていました。
ただ、番手で言うなら野々花さんは3番手だと思います(2番手は言わずもがな夢白さん)。
とは言え今後、ショーでの出番は増え重要な役割を与えられるでしょう。より伸び伸びと実力を発揮して活躍をしてほしいです。
縣千
縣さんの活躍も目覚ましかったです。第2章では主要でソロの歌を披露していましたし、確か第6章でもソロがあった気がします(歌唱力については課題アリですが・・・)。
スター性溢れる格好良さと端正なお顔は、何処にいても目立ちます。また、ダイナミックなダンスは観る者を惹き付けました。
『Sweet Little Rock ‘n’ Roll』ではバウ初主演を果たしましたし、縣さんに関しても今後の活躍から目を離せないですね。
雪組は今、上級生から下級生まで充実していると思いました。次回の大劇場作品『蒼穹の昴』がどの様に仕上がるか?
期待が高まります。
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