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VRAIN アルバム『Rendez Blue』感想

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Rendez Blue』は日本のシンフォニック・メタル・バンド、VRAINが2007年にリリースした1stアルバム。
全11曲収録。

バンドメンバー

  • HIRO:Vocal&Keyboard
  • NODOICHI:Guitar&Chorus
  • KASSY:Bass&Chorus
  • MIYA:Drums&Synthesizer

各楽曲ごとの感想

①RISE

エレクトロなピッポッパッポみたいなキーボードで始まるハイテンポの曲。

カラフルなキーボード、リバーブのかかったHIROの低音が効いた歌声、忙しないドラムが印象的。

メロディアスな曲で、特にBメロが個人的にグッとくる。サビになるとより開けた雰囲気になる。歌メロ、ギターソロも良い。

6分程の曲だが、その長さを感じさせない充実した構成になっている。
1曲目としてのツカミはバッチリだと思う。

非常に良い曲だと感じた。

②Soaring Refrain

ギターのリフから始まる、ややハイテンポの曲。

キーボードが随所で曲をドラマチックにしている。それだけでなくギターソロとキーボードソロのユニゾンがある事により、曲を更に華やかにしていると言える。

メロディは1曲目と同じく、Bメロが特に良かった。サビは2:44頃にようやく来るが、そこまで長さを感じさせはしなかった。

全体的にアニソンっぽい曲でキャッチーだったと思う。

この曲もとても良かった。

③Moonlight Rendezvous

素朴に始まるミドルテンポの曲。落ち着いたジャズっぽい雰囲気の曲だが、ドラムだけ忙しない演奏になっているのが特徴的(特にサビの部分)。

HIROは力まず歌っており、ドラム以外はリラックスしている様に感じた。でも、ギターソロは凄い勢いでトゥルルルしているのがポイントだろう。

あまりメタルっぽくない曲だが、個人的には好きで良曲だと思う。

④MISTY

シンフォニックなキーボードと、HIROの歌声で始まるややハイテンポの曲。

エレクトロさとシンフォニックさ、両方とも強く主張している。なので楽器はキーボードが主に前面に出ていた。

メロディはそれなりに良いが、もう少しテンポを上げたらもっと良くなる気がする。でも、充分に盛り上がる曲になっていると思う。

⑤Shooot!!

疾走感のあるハイテンポの曲。出だしはちょっとヘヴィになっている。

HIROは声を張り上げて、ビブラートも効かせて歌っているが、そこに男性コーラスの合いの手が入る事によって曲を力強くしていると思った。ドラムも賑やかである。

メロディはまあまあという感じな気がした。

⑥Sandglass

HIROの囁き声と、厳かなキーボードから始まるスローテンポのバラード曲。良い出だしだ。

その後、ピアノ、ドラム、ベース、ギターが静かに始まり、落ち着いた雰囲気が安心感をもたらしている。最後はピアノの演奏で終了する。

サビの部分が特に美しく感じた。大仰なサウンドになっていないのが却って曲を輝かせている。

良い曲に仕上がっていると思う。

⑦PRISONER

穏やかなギターとキーボードで始まるミドル寄りのハイテンポの曲。そこからシンフォニックな雰囲気になりバンド展開をする。出だしにはとても惹き付けられた。

曲の展開は良いのだが、歌メロはちょっとイマイチ。
でも、聴き所はあると思う。

⑧熊ん蜂の飛行

ロシアのクラシック作曲家、Nikolai Andreyevich Rimsky-Korsakovの曲が原曲。

ひたすらハイテンポのインスト。

1分20秒程の曲だが、とってもノリが良く、グイグイ攻めて来る演奏に心が高鳴った。
楽器隊は忙しなく演奏しており、特にギターは音を細かく弾いているので、その音数に圧倒される。

とても良い。

⑨Crystal Ball

サビ始まりのハイテンポの曲。

忙しない展開になっている。3:04頃からのギターソロが1990年代前半のXっぽい音になっていて良い。

ただ、全体としてはメロディが惜しく感じた。

⑩Illuminate My Heart

ミドルテンポの曲で緩急のある展開が特徴的。

ギターソロとキーボードソロのかけ合いがあり、HIROは他の曲よりも低音で歌う箇所が多かった。

1番印象に残ったのはAメロだが、サビの終わりの部分は音が広がる感じがしたのも良かった。

ただ、他の曲と比べると正直印象は薄い。もう少しグッとくるメロディがあれば、更に良かった様な気がする。

⑪MIRAGE

ピアノから始まる曲。憂いと明るさの両方の雰囲気を持っているのが特徴的。

しかし、冗長さを感じてしまった。6分程の曲だが4分台に纏めていたら締まりが出て良くなったと思う。

カラフルで壮大さはあるのだが、もっとシンフォニックなサウンドに傾けていたら、メロディが際立ったのではないだろうか。

正直、曲としての印象も弱く感じた。

全体的な感想

この作品の帯には「ネオ・ドラマチック・サイバー・ハードロック・シンフォニー」と書かれているが、確かにその様なサウンドになっている。

シンフォニックなサウンドの時もあるが、トランスに使われそうなピコピコした様な電子音が多用されているのが何よりも特徴的だと思う。

それだけでなく、メロディにも重視を置いている様に感じた。HIROの歌声と相俟ってグッとくる曲もあった。

特に前半の①~③は本当に素晴らしいと言える。パワーやメロディが一丸となっているので、聴く者を惹き付けると断言して良い。

しかし、後半になるとメロディが弱く感じる曲もあったというのが私の意見。
決して悪い訳ではないのだが、前半と比べると印象に残りにくく感じてしまった。演奏レベルはとても高く、曲としての構成も凝っている。だからこそ、もう少しメロディも重視してほしかった。

ただ、アルバム全体としては非常に完成度の高い作品になっている。先に書いた様にピコピコしたサウンドが特徴的だし、演奏力も高く、HIROの歌声も魅力的だ。

シンフォニック・メタル、メロスピ、メロパワが好きな人で、まだこの『Rendez Blue』を聴いた事が無かったら、是非聴いてみてほしい。

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ABOUT ME
霜柱
ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)を聴いたり、宝塚(全組観劇派)を観たり、スイーツ(特にパフェ)を食べる事が好きです。これらの事を気儘なペースで記事にしています。 Xやインスタも気儘に投稿中。