皆様こんにちは、霜柱です。

私はこの間、宙組公演『黒蜥蜴』の感想を書きました。

今回はこの作品の役ごとの感想を書いていこうと思います。

役ごとの感想

明智小五郎:桜木みなと

明智探偵事務所の探偵の役。

歌・演技・ダンスの3拍子が揃っており、安定感があって上手かったです。

個人的に特に良かったのは松吉に変装している場面です。
動作や腰の曲がり具合、喋り方などを見事にコピーしていたと言えます。

本作では台詞の量がかなり多い印象がありましたが、これを覚えるのは大変だったのではないでしょうか?

トップスターとしての深味も出てきたと感じた役でした。

黒蜥蜴(緑川夫人):春乃さくら

女賊の役。

妖艶で猛毒なマダムでした。何だか紫色のモクモクしたオーラが目に見えた気がしましたね(笑)。

台詞や役がとても多い役だったので、見応えや聴き応えがありました。
特に台詞回しが良かったです。色々な声色を駆使して舞台を彩るそのお姿は、観る者をドドンと釘付けにしたと言って良いでしょう。

本作で1番声の強弱があった役だとも言えます。

それにしても、この黒蜥蜴という役は春乃さんにとてもピッタリでした。ここまでハマるとは思っていなかったので、本当に観て良かったです。

演じているだけでなく、その役を生きていたと思います。

この役は春乃さんの代表作になると言っても過言ではないでしょう。

雨宮潤一(山川健作):水美舞斗

黒蜥蜴の部下の役。

観終わって思ったのは「雨宮潤一って自分自身の軸が無い人かな」という事です。
黒蜥蜴に出会う前は人生に上手くいっていない感じでしたし、出会った後は黒蜥蜴に振り回されている感じですし。

しかし、どういう理由であれ最後に岩瀬早苗を助けようとした事で、自身の中で何か変化が起きたのではないかと思います。

黒蜥蜴亡き後、また別の困難があるかもしれませんが、以前よりかは地に足をつけて生きていけるのではないでしょうか?

一言では言い表せない複雑な役でしたが、その役を見事に水美さんは演じたと言えます。
それだけでなく、新しい一面も観れた気がしました。

岩瀬庄兵衛:悠真倫

日本一の宝石商の役。

財政に余裕のあるお金持ちという感じが出ていました。ですが、お金とか宝石が第1ではなく、自分の娘である早苗の事を1番大事に思っている事に、父親としての愛があると感じました。

悠真さんの演技は本作でのアクセントにもなっていたと言えます。

松吉:松風輝

黒蜥蜴の仲間の役。

ハッキリ言うとこの役は情けない汚れ役です。浮浪者みたいな恰好をしており、また、感情的になりやすい性格っぽいです。

決して格好良い役ではありませんし、「演じたい!」と思う役柄ではないでしょう。

しかし、その様な役を松風さんは見事にこなしたのです。
慌てぶりやオドオドした言動が本当に凄くて、リアリティがありました。単に勢いや力任せではなく、細部まで作り込んでいたのが素晴らしかったです。

前半にしか登場しませんが破壊力抜群の役であり、間違いなく観客に深い印象を与えたと断言して良いでしょう。

本作で松風さんは宝塚を退団します。
新人の頃から松風さんは貫禄があり、特に確固とした演技には惹き付けられました。2012年の『ロバート・キャパ 魂の記録』でフーク・ブロックを演じた時は、まだ新人でしたが堂々とした佇まいや演技に驚きました。

私は松風さんの演技・歌・ダンス、どれも好きなので退団されるのは本当に寂しいです。
ご卒業後も、松風さんが真価を発揮出来る人生を歩む事を心より祈っております。

岩瀬夫人:愛すみれ

岩瀬庄兵衛の妻の役。

拡声器を持って女中達に指示を出しているのが面白かったです。「なんでそんなのを持っているんだ?」とは思いましたが(笑)。

出番は少なかったですが、印象に残った役でした。

五郎:秋奈るい

岩瀬家に出入りする御用聞きの役。

ちょこっとだけ台詞はありましたが、その他大勢に近い役だった気がします。
もう少し、出番や台詞を与えてほしかったです。

浪越警部:叶ゆうり

警視庁刑事部捜査第一課の警部の役。

落ち着きのある熟年の警部と言う印象でした。

出番は少しだけでしたが、しっかりと舞台を引き締めていたと言えるでしょう。
とは言っても、もう少し出番があっても良かったかなぁ、とも思いました。

岩瀬早苗/桜山葉子:天彩峰里

岩瀬早苗は岩瀬庄兵衛と岩瀬夫人の娘の役。
桜山葉子は失業した元タイピストで今は娼婦の様な役。

岩瀬早苗の時は宝石商の箱入り娘という純真な感じを、しっかりと表現していました。
桜山葉子の時は人生が上手くいかずにすれた感じを上手く出していました。

後半は岩瀬早苗に完全に成り切った桜山葉子でしたが、これを演じるのはかなり大変だったのではないでしょうか?

難しい役をやり切ったと断言して良いでしょう。

台詞や歌が多かったのも嬉しかったですね。以前にも書いたと思いますが、私は天彩さんの歌声が好きです。他の誰とも被らない歌声が魅力的と言えます。

真木警部補:鷹翔千空

若手警部補の役。

登場した瞬間、そのスマートなお姿に目が行きました。
出番や台詞が多かったのも嬉しかったです。

感情的な所がある性格ですが、それが逆に人間味があって可愛らしくも思えました。

声のトーンも突き抜ける感じがGOODです。

堺:風色日向

明智の部下の役。

基本的に他の明智の部下と一緒にいる役でした。

背が高くスラっとしたお姿は目を引きましたが、役柄的には他の明智の部下とあまり差が無い感じだった気がします。

ですので、印象としてはあまり強めではない、と言うのが正直な所です。

木津:亜音有星

明智の部下の役。

明智探偵事務所の場面で主に登場していました。
ただ、他のキャラと差別化がそんなに無かった気がするので、あまり印象には・・・、

吉野:きよら羽龍

明智の秘書の役。

他の明智の部下の役と同じく、そんなに前面に出ている役ではなかった気がします。
ですので、この役もそれ程印象には残っていません・・・。

ひな/青い亀:山吹ひばり

黒蜥蜴の部下の役。
ひなと青い亀は同じ人物で、青い亀というのは黒蜥蜴から与えられた爬虫類の称号です。

最初は腰が曲がった女中として登場しますが、実は岩瀬邸に忍び込んだ黒蜥蜴の部下の役です。

黒蜥蜴に忠実に使えているエリート系の役だった気がします。
あと、冷たい表情をしている時がとても素敵に感じましたね。

メインキャラ以外は・・・

本作『黒蜥蜴』では、主だった役以外はその他大勢、もしくはそれに近い印象を受けました。

例えば、明智探偵事務所で働いている部下達、黒蜥蜴の僕や手下達、岩瀬家に仕える女中達など、どれでも良いのですが、キャラの差別化がそんなにされていない様に感じたのです。

ですので、大体が同じ様なキャラになってしまっています。

とは言っても、それは致し方がないのかもしれません。もし、キャラの差別化をいちいちしていたら、内容が散らかって物語の核があやふやになってしまったでしょう。
特にこういったミステリー系の作品は、個性的なキャラを増やしたからと言って物語が面白くなるとは限らないのかも、と思います。

かなり大雑把に書くと、本作の見所は桜木さん演じる明智小五郎と、春乃さん演じる黒蜥蜴のスリリングなやり取りです。もし他の場面が強すぎたり、他のキャラが目立ち過ぎると「メインは何?」となってしまうのかもしれませんね。それはアカンと言えます。

と、書きながらも「やっぱり他のキャラももう少し前面に出てほしかった」という相矛盾する気持ちもあるのが正直な所。

出番の差がある事に色々意見は出るかもしれませんが、宙組全体としては演技の質は凄い高かったと感じました。

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ABOUT ME
霜柱
宝塚(全組観劇派)を観たり、読書(特にジャンルは決めず)をしたり、HR/HM(特にメロハー・メロスピ・シンフォニック)を聴いたり、スイーツ(特にパフェ)を食べる事が好き。これらを主に気儘なペースで記事にしています。 Xやインスタも気儘に投稿中。