皆様こんにちは、霜柱です。

ドイツ系スイス人の作家、ヘルマン・ヘッセHermann Hesse)の小説『デミアン』(実吉捷郎・訳、岩波文庫)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。

感想

人生とは何か? 人間とは何か?

難解に感じた部分があったので、正直理解出来たとは思っていません。ですが、自分の人生の見据え方、人間の本質への問いかけなどを描いている作品だと感じました。

「自分の人生を誰かにゆだねていないか?」「常識的に言われているこの事は本当に正しいのか?」「自分の内面を見詰める勇気はあるか?」など、色々と考えさせられる事が多かったと言えます。

デミアンだけではない

デミアン』というタイトルなので、てっきりデミアンが主役なのかと思いきやそうではないです。主人公はエミイル・ジンクレエルという人物です。

簡単に書くと本作はジンクレエルがデミアンを始めとして、様々な人と出会い、自身の精神的な成熟を果たそうとする話です。

ただ、デミアンは中盤になると暫く登場しません。その代わりという訳ではありませんが、オルガン奏者のピストリウスに出会います。彼と出会ったことにより、デミアンとはまた違う感化を受けます。

また、後半ではデミアンの母親であるエヴァ夫人とも出会い、彼女からも影響を受けます。

デミアン、ピストリウス、エヴァ夫人がジンクレエルの人生にとって、重要な人物だという事は言うまでもありません。

それぞれ人生についての見方や、ものの考え方に独自性があるので、読んでいてよく分からなくても惹き付けられましたね。

印象に残った言葉や場面など

理解が追い付かない部分はありましたが、それでも「おぉ!」と印象に残った部分があります。

まずはデミアンがジンクレエルに言う台詞です。

だれかをこわがるとすれば、その原因は、そのだれかに、こっちを支配する力をゆずりわたしたことにある。

言い得て妙です。「ゆずりわたした」という部分がポイントですね。相手が自分を支配するのではなく、こっちが相手に対して「支配して下さい」みたいに無意識にやってしまっているという事でしょう。

ジンクレエルの台詞では、

音楽には、道徳的なところが非常に少ないから

が、印象的でした。
そもそも音楽と道徳を結びつける人がどのくらいいるでしょうか? 私は結びつけた事はありません。「音楽ってさぁ、道徳的なところが少ないよね」なんて言う人は現実では皆無でしょう。もしそう言ったら相手は「???」となるでしょう。

ジンクレエルは様々な人の影響を受けますが、音楽をそういう風に捉える事が出来る彼も観察力が長けている気がします。

あと、引用したら長くなりすぎるので書きませんが、デミアンが語る世界や団体については正鵠を射すぎていると断言して良いでしょう。2026年現在もデミアンの言っている事はそのまま当てはまると感じました。

その他、印象に残ったのを箇条書きで書くと

  • フランツ・クロオマアはジンクレエルから金をせびり取ろうとするが、ある意味フランツの存在もジンクレエルの人間形成に影響を与えた、と感じた。
  • デミアンの「カインとアベル」の解釈は興味深かった。
  • ジンクレエルが公園でたまたま見かけた女性を、勝手にベアトリイチェと名付け、彼女の絵を家で何枚も書いたのは、それほど彼の心を思いっきり動かす何かがあったのか?

結構印象的な場面はありましたね。

簡単なまとめ

デミアン』をWikipediaで調べると教養小説と書かれています。確かにその傾向はある気がします。善悪の感情や、内面の葛藤などを色々と描いている作品です。

正直、よく分からない部分も多かったですが、それでも読み終えた時は、単なる達成感だけではなく、人生や自分自身に対する見方や考え方などに刺激を与えてくれたと感じました。

まあ、私自身が影響を受けやすい性格もありますが(笑)。

ですが、この様な作品を読む事も大事な気がします。別に読んだから偉いという訳ではありません。それよりもこういった作品を読んで、少しでも自分自身の精神的な成熟に繋げられるかが重要だと思うのです。

1回読んだだけでは内容を理解するのは難しいですが、何回も読んで少しずつ「こういう事なのか?」と自分なりに解釈をしていけば良いでしょう。

この様な作品が好きな人は、1度読んでみてほしいと思います。

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ABOUT ME
霜柱
宝塚(全組観劇派)を観たり、読書(特にジャンルは決めず)をしたり、HR/HM(特にメロハー・メロスピ・シンフォニック)を聴いたり、スイーツ(特にパフェ)を食べる事が好き。これらを主に気儘なペースで記事にしています。 Xやインスタも気儘に投稿中。