皆様こんにちは、霜柱です。
私は先日、星組公演『1789-バスティーユの恋人たち-』の感想を書きました。
今回はこの作品の役ごとの感想を書いていこうと思います。
役ごとの感想
ロナン・マズリエ:礼真琴
今作の主人公でオランプの恋人の役。
今回も礼さんは歌・ダンス・演技とどれも大活躍でした。
特に印象に残ったのは2幕目の最初で足を踏み鳴らして踊る場面です。礼さんは途中から参加しますが、やはり動きが他の方々と違います。礼さんのダンスは観る者を引き付けますね。
今作の公演が終わったら休養期間に入る礼さん。必ずレベルアップして戻ってくると仰っていますが、礼さんは既に実力が充分にありすぎる程です。
レベルアップする事よりも、心身の具合を良くする事の方に気持ちを向けてほしいと、個人的には思います。
オランプ・デュ・ピュジェ:舞空瞳
王太子の養育係で、ロナンの恋人の役。
舞空さんも歌・ダンス・演技の3拍子が揃っており、今回もご活躍されていました。
お人形の様な可愛らしさも相俟って、今回演じたオランプは舞空さんに合っていると言えるでしょう。
シャルル・アルトワ:瀬央ゆりあ
ルイ16世の弟の役。
初演で同じ役を演じた美弥るりかさんは、とても妖しくて魅力的なビジュアルでした。1人別世界からやって来たのではという感じ(笑)。
瀬央さんのアルトワ伯爵は正直、妖しさや人間離れしている雰囲気はあまり感じられませんでした。
しかし、その分美弥さんより人間味を感じる人物になっていたと思います。「こういう計算高い奴っているよね~」って言いたくなる様な(笑)。
今作を最後に瀬央さんは専科に異動します。専科に異動後もご活躍をされる事を祈っています。
カミーユ・デムーラン:暁千星
ロナンの友人で革命家でジャーナリストの役。
歌・演技・ダンス、どれもとても高水準で安心感のある舞台を作ってくれました。
デムーランは初演では凪七瑠海さんが演じましたが、凪七さんのデムーランと比べると、より市民に寄り添うとしている人物に作り上げている様に思いました。
マクシミリアン・ロベスピエール:極美慎
第3身分出身の議員の役。
とっても良かったです!
2幕目の最初で「誰の為に踊らされているのか?」をソロで歌いますが、どんどん歌唱レベルが上がっています。歌い方や声質が凪七さんの様で聴き惚れてしまいました。
その後、足を踏み鳴らして踊る場面があります。初演で同じ役を演じた珠城りょうさんはとても大きく足を踏み鳴らしていて迫力がありましたが、極美さんも負けず劣らずでした。
歌・ダンス・演技、公演を重ねるごとに上達しているのが分かります。
ビジュアルは新人の頃から良く可愛らしいお顔でしたが、今は格好良さも加わっているので、本当に今後の極美さんからは目が離せませんね。
マリー・アントワネット:有沙瞳
フランス王妃の役。
初演で同じ役を演じた愛希れいかさんは、可愛らしさが若干残る王妃でしたが、有沙さんのマリーは酸いも甘いも嚙み分けた貫禄がありました(実際の王妃はどうだったかは知りませんが、笑)。
有沙さんの安定感に関しては今更言う事は無いですね。
歌も演技もとても上手く、観る者を引き付けました。
今作を最後に宝塚をご卒業される有沙さん。
雪組の新人時代から注目され、星組に異動後は更にご活躍されました。
有沙さんの舞台を宝塚で観る事が出来なくなるのは、とても寂しいですが、宝塚をご卒業後もご活躍されることを祈っております。
ラザール・ペイロール:輝月ゆうま
貴族将校の役。
専科に異動後、星組の本公演に出るのは今作が初です。ですので、輝月さんが出演すると聞いた時、星組生とどの様な化学反応を起こすか、とても楽しみな気持ちになりました。
そして、いざ観劇しました。
しかし・・・。
正直に嘘偽りない感想を書きます。もしかするとご不快に感じる方もいるかもしれませんが、ご了承下さい。
本音を言いますとイマイチでした。もう全然・・・。
台詞はただ話しているか怒鳴っているかのどちらかで、感情表現が出来ていませんでしたし、歌声もあまり通らず響かなかったのです。
初演で同じ役を演じた星条海斗さんがとても素晴らしかっただけに、今回の輝月さんは観ていて心配になるレベルでした。
星条さんやペイロールという役をどこまで意識していたかは分かりませんが、ペイロールになりきれていたとは到底言い難いです。
更に思ったのが、心ここにあらずの様にも観えてしまった事です。何だか生き生きとしていいなかったのです。これは私だけの意見である事を願いますが・・・。
かなり厳しい感想を書いてしまいました。
しかし、これは私の一個人の感想なので、その点をご了承して頂ければ幸いです。
デュ・ピュジェ中尉:美稀千種
オランプの父親で、バスティーユ牢獄爆薬庫の管理人の役。
出番は少しですが、娘思いの良い父親をしっかりと描いていたと思います。
ヨランド・ドゥ・ポリニャック:白妙なつ
王太子の家庭教師で、マリー・アントワネットの友人の役。
初演では憧花ゆりのさんが同じ役を演じていましたが、憧花さんのポリニャックを踏襲している様に感じました。しかし、歌や演技はややマイルドな作りになっていたと思います。
そういえばポリニャックは王太子の家庭教師という設定ですが、王太子を教育している場面は全くありません。大概の場面はマリー・アントワネットと話しているだけでしたね(笑)。
ジャン・ポール・マラー:大輝真琴
医師でかわら版の記者の役。
マラーの印刷所の責任者でもあり、そこで働いている人達を纏めたりもしています。
初演では綾月せりさんが演じ、貫禄がありましたが、ちょっと冷たさを感じる人物になっている様に感じました。
しかし、大輝さんのマラーは優しめの人物になっていたと思います。「自由と平等」を歌う場面ではロナンの様な境遇の人達と、しっかりと分かり合おうとしている姿勢が伝わってきました。
その姿にちょっとホロリとしましたね。
ジャック・ネッケル:輝咲玲央
ルイ16世に仕えている国務大臣の役。
貫禄のある表情や動き、声などで舞台をしっかりと締めていました。
初演では光月るうさんが同じ役を演じましたが、輝咲さんの方が落ち着きがある様に観えました。
輝咲さんの低い声は魅力的で、それが今回活かされていた様に思えます。
ルイ16世:ひろ香祐
フランス国王で、アルトワ伯爵の兄の役。
ひろ香さんは芸達者でどの様な役もこなします。
しかし、今回演じたルイ16世は初演で同じ役を演じた美城れんさんと比べると、あまり国王としての貫禄は無かった様に観えました。
見た目も声の感じも若々しく作っていた気がしたので、瀬央さん演じるアルトワ伯爵の方が兄に観えた気がします。
しかし、2幕目の後半になると穏やかでゆったりした口調でも、国王としての覚悟や器の大きさを表現していました。
ジョルジュ・ジャック・ダントン:天華えま
弁護士でカミーユ・デムーラン、ロベスピエールの仲間の役。
天華さんも安定した上手さなので、観ていて安心しました。
ただ、役柄の影響もあるのか、これと言ったインパクトをあまり感じませんでした。
ソレーヌ・マズリエ:小桜ほのか
ロナンの妹の役。
この役を小桜さんが演じると聞いた時、「果たしてこの役が小桜さんに合うのか?」と正直思いました。
しかし、舞台を観た時そんな不安は見事に吹き飛ばしてくれたのです。
もうちゃんとソレーヌになり切っていましたし、何よりも素晴らしかったのは歌声です。
小桜さんの歌声は優しい歌声ですが、今回はその様な感じではなく、力強さを前面に出していました。
女性ロッカーの様な歌い方で、とても格好良くて素敵だったのです。
「小桜さんてこの様な歌い方も出来るのか!?」と、もう完全にノックアウトされましたね!
もっともっとその歌声を堪能したい気持ちになりました。
それと同時に、私は思ってしまいましたよ。
「小桜ほのかさんのコンサートをやるべきだ!」と。
そう思ったのは私だけではない筈。まぁ、実現は99.99%無いかもしれませんが、そう思わせるだけの圧倒的な魅力があった事だけはハッキリと書いておきます。
今作で小桜さんの新たな一面を発見出来て、本当に良かったです。
オーギュスト・ラマール:碧海さりお
アルトワ伯爵の手先で秘密警察の役。
初演で同じ役を演じた紫門ゆりやさんは結構笑いを取っていましたが、碧海さんのラマールは真面目寄りになっている気がしました。
笑いを取ろうとしている場面はありましたが、ちょっと空回りをしていた気がします。
いっその事、完全に真面目の方にシフトしていた方が却って良かったのかもしれません。
ただ、アルトワ伯爵が「私は神だ」を歌っている場面では、アルトワ伯爵やオランプの事を気にしすぎていて、それにより落ち着きのない動きをしている姿が可愛らしかったですね。
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン:天飛華音
スウェーデン将校で、マリー・アントワネットの愛人の役。
もう「良い男だね♡」って言いたくなるビジュアルです。キリっとしたお顔立ちでスターのオーラをこれでもかとキラッキラと放っていました。
初演では暁千星さんが演じましたが、全く違う感じになっていたのが良かったですね。
ただ、初演ではフェルゼンにも歌がありましたが、今回は無しです。
天飛さんの歌が聴けると思っていたので、歌がカットされていたのは残念な演出でした。
民衆(女):水乃ゆり
今作で水乃さんの役は主な配役に入っていません。それどころかその他大勢扱いです。
水乃さんをその他大勢にした事については非常にけしからんと思っていますが、それでも「サ・イラ・モナムール」を歌う時は極美さんと組んでおり、その時の水乃さんがとても幸せそうな表情をしていたのです。
水乃さんの笑顔を観る事が出来たので、まぁ良しとしますか。
でも、次回作はちゃんとした役を充ててほしいですね。
シャルロット:瑠璃花夏
パレ・ロワイヤルの落とし子の役。
少女の役ですが、初演で同じ役を演じた紫乃小雪さんよりも、ややお姉さんっぽい雰囲気に仕上げている様に思います。
ただ、動作や立っている時の姿勢などは少女を意識していた様に観えました。
リュシル:詩ちづる
デムーランの婚約者の役。
この役は出番も台詞も多くはありません。しかし詩さんは華奢でとても可愛らしく、華があるので、登場しただけで目を引きました。
ただ、詩さんは舞台メイクをすると作品によっては「???」となる時があります。個人的には『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人』を観た時にそう感じました。しかし、今回は上手にメイクがされていたと思います。
ルイ・ジョセフ:美玲ひな
ルイ16世とマリー・アントワネットの息子。
病気で夭折してしまいます。
初演で同じ役を演じた舞雛かのんさんは、幼くて可愛らしい男の子の様な感じでしたが、美玲さんのルイ・ジョセフは、もう少し成長した男の子になっていたと思います。
声の感じも舞雛さんより低めな気がしました。
月組の時もそうだったが・・・
初演の月組もそうだったのですが、今作『1789-バスティーユの恋人たち-』は主な役以外は、完全にその他大勢になっているのです。
もっと色々な人に役を与えてほしかったですが、あれ以上役を増やすと、もしかすると纏まりが無くなりそうな感じになるのかもしれません。
因みに今作では音咲いつきさん、有沙瞳さん、天路そらさんが退団します。
有沙さんはマリー・アントワネットという大役に抜擢されましたが、音咲さん、天路さんはその他大勢でした。
せめて、このお2人はもう少し目立つ役を与えてほしかったと思います。
とは言え、星組生は今作を一丸となってしっかり作り上げていたと言えるでしょう。
次回の本公演『RRR × TAKA”R”AZUKA ~√Bheem~(アールアールアール バイ タカラヅカ ~ルートビーム~)』『VIOLETOPIA』はどの様になるのか?
今から気になりますね。
お読み頂き有難うございました。ブログ村に参加しています。
にほんブログ村