ボーモン夫人『美女と野獣』を読んだ感想

皆様こんにちは、霜柱です。
フランスの作家、ボーモン夫人(ジャンヌ=マリー・ルプランス・ド・ボーモン/Jeanne-Marie Leprince de Beaumont)が書いた『美女と野獣』(鈴木豊・訳、角川文庫)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
教育的な内容
本書には15の短編が収録されています。代表作である「美女と野獣」を含めて、どの作品も悪しき事を行わずに善き道を歩む事が大事、の様な事が分かりやすく書かれている感じです。
勤勉、謙虚、節義と言った事を重んじ、決して見た目だけの美しさに目が眩んだり、欲深になってはいけない事を説いています。
確かに子供にそう言った事を分かりやすく教えるのには良いのかもしれません。
どの話も・・・
一話一話は「その通りだな」「あぁ、自分はこの作品の王子の様な心がけをしていない…」などと思い、「自分自身も磨かなくては」と感じます。
ただ、どの話も内容や展開、登場人物が似通っているので、結末が大体予想出来る気がしたのも事実。
それに内容も勧善懲悪っぽい所もあります。悪い人はとことん悪い。良い人はとことん良い。というキャラも多いです。
全然時代も場所も違いますが、何だか個人的には「水戸黄門と共通する部分があるな」と感じました。
ですので、本書を一気に読もうとすると、もしかしたら飽きが来るかもしれません・・・。
人間としての資質を磨いて深める事は確かに大事です。それは分かっていますが、なかなかそうはいかないのも人間なのです・・・、と言い訳をしてみたりする(笑)。
各短編について
本書には全部で15の短編が収録されています。各短編を読んで思った事を簡単に書いてみます。
美女と野獣
やはり1番印象的な作品ですね。ベルは最終的に呪いを解かれた王子と結婚します。ただ、ベルの姉2人には容赦が無い罰を、仙女は与えましたね・・・。
二人の王子さま
主人公のファタールはいくら何でも酷い目に遭い過ぎでは・・・。心が折れたりせず諦めもしなかったのは凄いと思います。それに比べて弟のフォルチュネはワガママで意地悪です。
性質が良かったとしても、周りに変な人がいたら、それを潰されてしまう危惧を教えてくれている様にも思えました。
怪物になった王子さま
苦言って確かに耳が痛い。でも、後になるとそういう人がいかに大事かというのが分かります。
プリンス・シェリには苦言を言ってくれる家来がいたから良かったですね。心惹かれていた女性のゼリーとも結ばれましたし。
王妃になった娘と農婦になった娘
姉のブランシュは王妃になり、妹のヴェルメイユは農婦になりました。
王宮は豪華な場所ですが、そこで暮らせば幸せになるとは限らないという事ですね。
不運つづきの娘
禍福は糾える縄の如し、みたいな話でした。
告げ口の好きな少女
告げ口ばかりするジョリエットという少女が主人公ですが、結局それを治す事が出来なかったか・・・。
虐げられた王子さま
「二人の王子さま」に少しばかり内容は似ています。
レヴェイエと言うしっかりとした小姓がいなかったら、ティティの運命は変わっていたかもしれませんね。
面白かったですが、少しばかり冗長の様な・・・。
醜い王子さまと美しいお姫さま
自分の愚かさや欠点から目を背けずに認めるのが大切という事ですね。
美しい娘と醜い娘
美しい女性について書かれていますが、正直偏見が過ぎる気がします。実際は美しいとか醜いとかに関わらず、もっと複雑に絡み合っているでしょう。
でも、子供の頃から中身を磨く事は確かに大事だと言えます。そうしないと大人になった時に恥をかきますからね・・・。
姉のベロットも妹のレードゥロネットも幸せになって良かった。
幽霊屋敷
他の作品とは毛色が違うように感じました。ただ、あまりピンと来なかったです・・・。
どれいの島
奴隷をこき使っている令嬢のエリーズと、彼女の奴隷であるミラが登場します。
ある日、どれいの島で立場が逆転して・・・。
人に対する扱いを学べる作品と言えるでしょう。
二人の王妃
見た目に左右されず、中身を磨いて本質を見抜く力は確かに大事ですね。
鼻の高すぎる王子さま
「醜い王子さまと美しいお姫さま」と似た様な内容です。自分の欠点を認めて受け入れる力が必要だと感じました。
三つの願い
金持ちではない夫婦が主人公。
身の丈に合わない欲を持ってはいけないという事ですね。2人がそれに気づいて良かったです。
漁師と旅人
漁師の最期が海に飲み込まれる結末とは・・・。手加減無しという感じです。
欲深になったり、自分本位の野心を持つ事は心の平安をかき乱すという事ですね。
簡単なまとめ
どの作品も読みやすくて優しい文体で書かれているので、スラスラと読めるでしょう。ただ、内容がどれも教育的、且つ似た様な感じなので、少しばかり飽きが来ないとも限らない・・・。
ですが、外面に惑わされずに内面を磨く事が大事なのは現在でも充分に通用します。
興味がある方は読んでみてはいかがでしょうか?
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