皆様こんにちは、霜柱です。
私はこの間、東京宝塚劇場で月組公演『グレート・ギャツビー』を観劇してきました。
観劇した際に思った事を感想にして書いていきます。
全体的な作品の質自体は正直・・・
『グレート・ギャツビー』はF・スコット・フィッツジェラルドという人が書いた小説が原作で、私はこの原作を読んでから観劇をしました。
正直に申し上げますと、今回の『グレート・ギャツビー』は全体的に言えば良くも悪くも無難な作品に仕上がっていると言うのが、私の感想です。
先に申し上げますが、特別に何かが悪かったとかいう訳ではありません。いえ、それどころか月組生の放つ芝居力はとてつもなく高いですし、重厚感のある作品に仕上がっていると思います。
星組公演『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』と似た感想になってしまいますが、「これだ!」というパンチに欠けるのです。
「1発KOされた!!」という所まではいかないという事です。
これは私だけの感想かもしれませんが、宝塚の作品は時折、舞台に立つタカラジェンヌのレベルの高さに、演出する側(スタッフ側ですね)のスキルが追い付いていない様な印象を受けるのです。
『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』も『グレート・ギャツビー』もそんな感じがしました。
名曲と言われている「朝日が昇る前に」も、「悪くはないけれど、そんなに名曲と言われる程かな?」と言うのが正直な感想です。
とは言っても、決して悪くはありませんし観て損する作品ではありません。
先に書きましたが月組生のお芝居の力はとても目を見張るものがあります。
内容云々ではなく、月組生のお芝居を楽しむつもりで観れば良いと思います。
イマイチな点
先に書きましたが、悪くはありません。しかしイマイチな部分が無かった訳でもありません。
あくまで私自身が気になった事を書いていこうと思います。
回想の場面
1922年のアメリカが舞台ですが、1917年にジェイ・ギャツビーとデイジー・ブキャナン(厳密に言えば、まだトムと出会っていないのでブキャナンという苗字ではありませんが)が出会う場面を描いた回想が、1幕目の途中で入ります。
この場面ではジェイとデイジーはお互いに一目惚れをし、少しも離れたくないという思いを語り合います。
ただ、詳しい台詞は忘れましたがジェイがデイジーにかける言葉があまりにも陳腐過ぎて、正直白けてしまいました。
何だかこの場面は『ロミオとジュリエット』を真似しているだけの様に観えてしまいました。
もう少し台詞に工夫が欲しかったです。
緩急にやや欠ける
全体的な舞台の流れの上で、緩急に欠けた事も気になりました。
いえ、2幕目になるとドンドン展開は進んでいくのですが、そこにいくまでがちょっと冗長に感じたのです。
とは言っても、スンゴイ退屈したとかそこまでではないので、1幕目にもう少し緩急を付けてもらえたらより良くなったと思います。
良かった点
月城かなとの抜きん出た美しさ
まずは月城さんに触れるべきでしょう。
トップスターの月城さんが演じたジェイ・ギャツビーは、とても凛々しく美しい美青年です。いえ、こんな陳腐な言葉では褒め足りないでしょう。
それ程、月城さんが登場した時はハッとして目を引いたのです。
『グレート・ギャツビー』は今回3回目の再演で、主演は杜けあきさん、2回目は瀬奈じゅんさんが演じていました。私はこのお2人の作品は観ていませんが、このジェイ・ギャツビーという役は月城さんの為の役だと言っても過言ではないと思います。
月城さんはどの様な役もこなせますが、このジェイ・ギャツビーは本当に似合っていました。
また再演するかは分かりませんが、次にジェイ・ギャツビーを演じる人はかなりプレッシャーがかかると思います(笑)。
月組の芝居力の圧倒的高さ
上級生から新人に至るまで、全員役になりきってました。
私はアメリカに行った事はありませんし、ましてや1922年なんて影も形もありません。
しかし、不思議な事に舞台上にはちゃんと、1920年代のアメリカの人達が立っている様に観えたのです。
月組生の芝居力は、何故こんなに高くて素晴らしいのでしょうか。
本当に圧倒されます。
『桜嵐記』『今夜、ロマンス劇場で』に勝るとも劣らない濃い芝居を観る事が出来ます。
チケット難になるのは当然ですね。
お芝居を堪能したいなら月組の作品を観る事をお薦めします。
少し辛口な事も書きましたが、それは主に演出の方でして、月組生のレベルが良くなかったという訳ではありません。
月組の濃い芝居を堪能したい方、月城さんのファンという方は迷わず観るべき作品と言えます。
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