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Damian Hamada’s Creatures 『旧約魔界聖書 第Ⅱ章』感想

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日本のヘヴィ・メタル・バンドが2020年にリリースした2作目。
『旧約魔界聖書 第Ⅰ章』に続く作品である。

全11曲収録となっているが、7曲目から11曲目はカラオケなので、実質6曲である。
通常盤と初回生産限定盤があり、初回生産限定盤には「Angel of Darkness」のPVと、ダミアン浜田陛下とメンバーの対談を収録している。

バンドメンバー

  • ダミアン浜田陛下:Words,Music,Produce
  • さくら“シエル”伊舎堂:Vocal
  • 大地“ラスプーチン”髙木:Guitar
  • 秀貴“ジル”栗谷:Guitar,Bass
  • ケン“アレイスター”宮嶋:Bass,Keyboards,Mellotron
  • マスヒロ“バトラー”後藤:Drums
  • 宏美“ローズ”稲益:Chorus

聖飢魔Ⅱの創始者、ダミアン浜田陛下が、伊舎堂さくらとプログレッシヴ・ロック・バンド、金属恵比須のメンバーを洗脳&僕(しもべ)とし、「改臓人間」にして結成された。
ダミアン浜田陛下は作詞・作曲・プロデュースのみで、ギターを弾いたり歌ったりはしていない。

Damian Hamada’s Creatures公式サイト:https://www.damianhc.jp/

各楽曲ごとの解説と感想

①Angel of Darkness

約7分の曲で、アコースティックギターで始まるミドル・テンポの、ややダークな雰囲気だ。
シエルは前半のサビでは低い声で朗々と歌っているが、後半のサビでは高い声で、伸びやかに歌っている。
4:07から転調し、少しスピードアップするが、転調はしても、全く異なるメロディや雰囲気になる訳ではない(Bメロは同じ)。
所々に、印象に残るメロディやリフがあり、聴きやすい曲なので退屈はしない。

やはり、キーボードとギターソロにダミアン節がある。鐘の音が入っているが、絶妙なタイミングで入る。そこがニクイ。

②Deepest Red

厳かな演奏で始まるミドル・テンポの曲。シンフォニック・メタルの様な感じだ。
キーボードとコーラスが重要な役割を果たしており、シエルは最後のサビでは高音を駆使して歌っている。
盛り上がる曲ではないが、荘厳な曲なので聴き入るには良い曲だ。
LIV MOONに通じるものがあると思う。

③新月のメヌエット

冒頭からリバーブがかかった歌と、弦楽四重奏風の演奏で始まるミドル・テンポの曲。
6分半の曲であり、トリッキーな演奏が印象に残る。他の曲もそうだが、この曲は特に歌うのが難しそうに思えた。しかしシエルは難なく歌唱しているのが見事である(実際はとても大変なのかもしれないが)。
3:36からスピードアップし、5:46からはアコースティックギターのみの穏やかな演奏となる。
また、ギターソロが多く出てくる(2:33~3:36、4:19~4:49、5:25~5:44)。

全体的に耽美さがある。ギターソロを無くし、グロウルを入れ、もう少しダークにしたら、初期のTHEATRE OF TRAGEDYっぽくなるかもしれない。

④女神と死神

アコースティックギターと高いコーラスで始まるミドル・テンポの曲。
ゴシック要素はあるが、他曲と比べると、ややシンプルでストレートな印象を受けた。
サビは短いが、印象に残るメロディである。
神聖さを感じる曲であった。

⑤魔皇女降臨 ~ Birth Of Death,Death Of Birth

歌詞の掲載があり、それはコーラスが歌うが、ほぼインストの曲である。不気味なコーラスとキーボードに導かれて始まり、その後バンド演奏となる。
この曲はギターソロが曲を先導している。激しい演奏の中にも、時折80年代HR/HMやプログレの香りがする時があった。

⑥Which Do You Like?

この曲は今作の中では、異質の曲である。
ギターの音がギンギンしており、初期聖飢魔Ⅱの雰囲気がある
シエルは冒頭と終わりで叫んでいる。
ストレートな疾走曲かと思いきや、3:26~3:59は不穏な雰囲気の曲調に展開する。

80年代HR/HMのノリの良さがある曲なので、ライブでは間違いなく盛り上がる曲だ。

※⑦~⑪は①~④&⑥のそれぞれのカラオケ・バージョンなので割愛する。

DVD収録内容の感想

初回生産限定盤のみ「Angel of Darkness」のPVとダミアン浜田陛下と改臓人間達の対談が収録されているDVDが付いている。

「Angel of Darkness」のPVは、正直「Babel」のPVと似た様な雰囲気だが、「Angel of Darkness」の方が、迫力がある様に感じた。

ダミアン浜田陛下と改臓人間達の対談は、30分も収録されている。前作『旧約魔界聖書 第Ⅰ章』に収録されていた内容の続きとなっている。
詳しい内容はあえて書かないが、和気あいあいとした雰囲気であった。メンバー全員が信頼関係を築き上げて、作品を完成させたという思いを感じた。特に、金属恵比寿のメンバーは伊舎堂さくらの実力を認めている。

『~第Ⅰ章』もそうだったが、メンバー全員が笑いを堪えている。また、ダミアン浜田陛下は言い間違いをせずに済んでいた(笑)。

全体的な感想

今作も前作と同様、ダミアン節があちらこちらに出ている作品だ。ただ、前作よりもコーラスやキーボードを多用しているので、シンフォニック/ゴシック・メタルに近い雰囲気という感じがした。

前作『旧約魔界聖書 第Ⅰ章』にも書いたが、ダミアン浜田陛下の作る曲は中毒性がある。特に今作『旧約魔界聖書 第Ⅱ章』は前作よりも、メロディが充実している様に思えた。また、作品としての纏まりも今作の方があると思う。

前作ではシエルの舌っ足らずで青臭いと書いた。しかし今作では、それはあまり気にならなかった。
また、曲の雰囲気が似すぎているとも書いた。今作の曲調は⑥以外はミドル・テンポで、バラード曲は無い。ただ、今作は曲の雰囲気を重視している気がし、聴き入るタイプの曲が揃っていた。それゆえ、傾向は似ていても気になる事はなかった。

ただ、やはりカラオケ・バージョンはいらないと思う。

再度書くが、今作は前作以上にダミアン節に溢れている作品になっている。特にメロディは前作以上に、強力で瑞々しい。メロディを重視している他のメタル・バンドを凌駕する質の高さである。
ダミアン浜田陛下、聖飢魔Ⅱのファンは勿論買いだが、メロディック・メタルやシンフォニック/ゴシック・メタルが好きという人も是非この作品を聴いてほしい。

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ABOUT ME
霜柱
神奈川県在住の30代。ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)と宝塚(全組観劇派)が好きです。 ツイッターも行っており、気儘に呟いています。