皆様こんにちは、霜柱です。
東京宝塚劇場で、雪組公演『CITY HUNTER-盗まれたXYZ-』『Fire Fever!』を観劇してきました。
今回は『CITY HUNTER-盗まれたXYZ-』の感想を書いていきます。
※因みに私は『CITY HUNTER』の原作の漫画やアニメは見ていません。
とにかく目まぐるしい!
「映像も沢山使われているし、登場人物も殆どがぶっ飛んでいるキャラばかり。また、内容を追いかけるのに必死な上に、目もあちこち動かさないといけない・・・。観ていて少し疲れたけど、予想より面白かった」というのが率直な感想です。
ここから、私なりに思った事を少し詳しく記載します。
映像が多い
まず、映像が結構使われています。開演5分前になると、舞台に「開演5分前!」という画面が出てきますし、数分経ったら「まもなく始まるよ!」という画面に変わります。どちらもポップな画面です。
これだけ観ると「私、本当に宝塚の舞台を観に来たのかしら?」と思うかもしれません。
新宿の場面でも「50%OFF」という画面だけでなく、「ベルサイユのばら 主演 杜けあき」などの様な宝塚ファンにとっては「オォッ!」という画面も出てきました(時代は1989年という設定)。
他にもグジャマラ王国の国王の弟、エラン・ダヤンを演じた、汐聖風美さんやグジャマラ王国の王女、アルマ・ダヤンを演じた、夢白あやさんの映像も出てきます。
主役とヒロインを演じた彩風咲奈さんと朝月希和さんの映像も登場します。
それ以外にも随所で、映像が使われていました。映像が使われるのは勿論、珍しい事ではありません。しかし、ここまで映像を駆使したのは、宝塚史上無いのでないでしょうか?
それにしても、これだけの映像を作るのに、どれだけの時間とお金がかかったのかが気になります(笑)。
登場人物も多い。それだけでなくぶっ飛んでいるキャラばかり(笑)
登場人物の殆どが、「こんな性格の人や、こういう言動をする人はいないでしょ(笑)。」とツッコみたくなるキャラです。まともなのは綾凰華さんが演じた槇村秀幸ぐらいでしょう。
「原作がそうなのだから、そういうキャラになるのは当然でしょ」と原作の漫画やアニメを見た人は仰るかもしれません。しかし、ここまで賑やかな人物達だとは予想しませんでした(笑)。
先にも書きましたが、私は漫画やアニメを見ていません。しかし、「ドタバタした舞台だなぁ」と思いつつも楽しめました。
彩風咲奈さんが演じる、主人公、冴羽獠は綺麗な女性を見つけると、すぐ手を出す性格です。彩風さんはどちらかというと、真面目な役や堅物の役のイメージを私は持っていました。
しかし、お尻を触る時の仕草や、軽い喋り方がとても上手く、完全に役になりきっている(というより振り切っている)と、とても驚きました。「彩風さんは、こういう役も出来るんだ!」と改めて彩風さんの演技力に驚きました。
他には、野上冴子を演じた彩みちるさんも良かったです。彩さんの演技はとてもお上手ですが、子役のイメージが強かったので、この「お色気うっふん」の役を演じると聞いた時は「どう演じるんだろう?」と思いました。
しかし、舞台で観た時は、冴羽獠を誘惑するだけの色気が出ていましたし、声も以前にも増して迫力があったので「彩さんの演技は、やっぱり凄い」と感心しました。
もう1人挙げるとするなら野々花ひまりさんです。野々花さんはシティーハンターを追っているフリージャーナリスト、冬野葉子を演じています。
この冬野葉子というキャラも・・・ぶっ飛んでるのです(笑)。喋り方や動きがアニメの女の子のキャラそのものなのです!
野々花さんは『fff-フォルティッシッシモ-』で少年ルートヴィヒを演じており「僕なんて、死んでしまえ!」という悲壮感しかない台詞を言っていましたが、本当に同一人物でしょうか?
野々花さんがここまで幅広い演技を出来るとは正直思っていませんでした。ですので、これからの野々花さんの活躍が益々楽しみになってきました。
全体的に演者の台詞・歌詞が聴き取りにくい
何回も書きますが、ぶっ飛んでいるキャラが多いです。また、内容も色々詰め込まれています。その影響の為か、全体的に皆様、早口で台詞を言っている様に思えました。
早口だからなのか、台詞がよく聴き取れない所が多かったです。それだけなく、歌になると余計聴き取りにくかったです。音響の問題? それとも雪組生の活舌の問題?
特に彩風さんの声が聴き取りにくかったです。台詞はまだしも、歌になると、それがより際立ってしまいました。
朝美絢さんの場合、台詞の時はとても聴き取りやすかったのですが、歌になると声の輪郭がぼやけてしまった様に感じました。
ハッキリした声をずっと出していたのは彩さんと野々花さんだと思います。
曲は全体的には良かった
この作品の主題歌ともいえる『CITY HUNTER』はノリも良く明るい曲で印象に残りました。やはり、出だしの歌で、観客を引き込めるかは重要な事ですね。
「CITY HUNTER=Get Wild」という図式が成り立つぐらい、『Get Wild』は『CITY HUNTER』に欠かせない歌の様です。恥ずかしながら、私はTM NETWORKの原曲をしっかり聴いた事がありませんでした。
ですので、YouTubeで聴いてみましたが、出だしのイントロからもう魅力的ですね。曲にフックがあり、メロディもとても印象に残ります。
この曲が舞台で歌われた時、やはり高揚した気持ちになりました。原作を見た人なら尚更、そう思うのではないでしょうか?
また、もう1曲TM NETWORKの曲が使われています。「STILL LOVE HER」という曲です。ミドルテンポのポップな曲で、この曲も冴羽獠の心境にピッタリ合っていると思います。
話題を呼んだのは、女性3人組ロックバンド、SHISHAMOの宮崎朝子さんが曲を提供してくれた事でしょう。
綺麗なメロディで良い曲でしたが、正直、他の曲と比べるとインパクトに欠けたというのが正直な感想です。
サラサラっと流れてしまって、脳裏にあまり残っていません・・・。
原作を知らなくても楽しめる! ただ・・・
何回も書いていますが、私は『CITY HUNTER』の漫画やアニメは見ていません。しかし、そんな人でも楽しめる作品にはなっていると思います。少なくとも私にとってはそうです。
ただ、1回観ただけでは内容がよく掴めないというのも現状です。とにかく色々盛り込まれており、あの事件とこの事件が絡まって・・・みたいにちょっと複雑な内容になっています。ですので、原作の漫画やアニメを見てない人は、ついていくのに必死になってしまうかもしれません。
そして、これが1番重要かもしれません。この作品は全体としては軽く、宝塚らしさはほぼ無いといって良いでしょう。
その為、好き嫌いがハッキリ分かれると思います。
そして、この作品は
ドタバタあり、感動なしだと私は思います(笑)。
私の知人も観たのですが、こう言ってました。
「内容はよく分からないし、ドタバタしている。中身が無い。もう観なくて良い。」と切り捨ててました(笑)。
でも、この様に言う気持ちも分かります。「宝塚の作品」を観に行こうとしたら、悪い意味で宝塚っぽくないと感じてしまったのでしょう。
これからもどんどんチャレンジしてほしい
『CITY HUNTER-盗まれたXYZ-』はどちらにせよ、良くも悪くも評判を呼び、後に宝塚史に残る作品になると思います。
私としては、ここまで振り切っているなら逆に良いと思いました。
古いものだけを大切にするのではなく、新しいものばかりを取り入れるばかりでもない。宝塚歌劇団はそのバランスが取れていると思います。
だからこそ、宝塚は今日まで生き残る事が出来たと言えるでしょう。
色々な声があるとは思いますが、劇団側はこれからも新たなチャレンジをしていってほしいです。
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