皆様こんにちは、霜柱です。
松浦弥太郎さんの『最低で最高の本屋』を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。
感想
本や雑誌に対する愛情が綴られている
まず思ったのは松浦さんが、本当に本や雑誌がとても好きなんだなというのが伝わってきました。松浦さんの文章は丁寧で物静かな書き方ですが、だからこそよりそれが強く誌面上から感じたのです。
高校を中退した後、単身でアメリカに渡り古本に触れた事がきっかけで、出版業に携わる事になります。
現在は作家、COW BOOKS代表、DEAN & DELUCAマガジン編集長など様々な肩書を持って出版の世界で活躍している松浦さん。
若い頃は高校中退という事もあって辛苦を舐めてきましたが、もし何事も無く(と書くと語弊がありますが)高校や大学を卒業していたら、松浦さんの運命は全く変わっていたかもしれません。そうしたらその後の出版業の運命も変わっていたと言えるでしょう。
印象に残った言葉
本の世界だけでなく、生きていれば必ずと言って良い程競争にさらされます。しかし、松浦さんは誰かと戦う事を嫌います。勝っても得られるものは少ないと考えているからです。
力で差を見せつけ合うようなことはしたくない。それだったら、百歩譲る。所詮は百歩。百歩くらいだったらいつでも譲ります。百歩先行かれても、相手の姿はまだ見えますから、そんな大した差ではないと思います。
百歩先を「そんな大した差ではない」と言える松浦さんに脱帽です。
普通相手に百歩も先を行かれたら狼狽えてしまうと思います。少なくとも私はそうです(笑)。
私も松浦さんの様に鷹揚自若とした態度を取らないといけないですね・・・。
何だかんだ言っても・・・
実は私も昔は本に関係する仕事に就いてみたいなぁ、と漠然としながらも憧れていた事があります。
ですが、『最低で最高の本屋』を読み終わった後、「あぁ、私には出来ないや・・・」と改めて思ったのが本当の所です(笑)。松浦さんは淡々とした文章で綴っていますが、なかなかハードな生き方をしていると感じました。
華やかな世界には憧れますが、何だかんだ言っても普通に会社勤めをしている方が、私には性に合っているなと痛感したのも事実(笑)。
なので、もし知り合いが「本に関する仕事に就きたいな」なんて言ったら、この『最低で最高の本屋』を読ませて、「本当にその世界で働ける自信はある?」と問うかもしれませんね(笑)。