公演の感想 PR

宙組公演『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』役ごとの感想

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皆様こんにちは、霜柱です。

私はこの間『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』と『Délicieux(デリシュー)!-甘美なる巴里-』の感想を書きました。

ここでは『シャーロック・ホームズ』の役ごとの感想を書いていきます。

役ごとの感想

シャーロック・ホームズ:真風涼帆

天才的な名探偵の役。切り裂きジャックの連続殺人事件を解決する為に奮闘。

ホームズという名探偵の役も似合っており目を引きました。特にロングコートの姿はとても格好良かったです。

ただ、この作品では少し違った真風さんも観られます。
事件が全然起きず「退屈だ~」と言って腕や足を弛緩させて脱力している姿は笑いを誘いました。普通の人なら脱力していたら、「あぁ、脱力しているんだなぁ」で終わります。しかし、真風さんの場合、脱力した姿でも格好良いのは何故でしょうか(笑)? 羨ましいです。
また、最後の墓場の場面では、墓掘人に扮している姿を観る事が出来ます。ホームズは上手く変装したつもりですが、アイリーン・アドラーは見抜きます。
「こんにちは、シャーロック・ホームズさん」と声をかけられたホームズは「何を言ってるんでしゅか? 私はシャーロック・ホームズでありましぇん」と舌ったらずな口調で狼狽えながら返答します。その姿がちょっと可愛らしかったです。

今後あるか分かりませんが、完全コメディな作品を真風さんで観てみたいとも思いました。

アイリーン・アドラー:潤花

ミラノ・スカラ座の歌手。実は以前、ジェームズ・モリアーティと手を組んでいた過去があります。しかしモリアーティが恐ろしくなって、彼から逃げました。

やはりさんは華があるので、登場するだけで目立ちますね。大人っぽい雰囲気なのがとても良いです。シックな衣装や喪服姿も、さんが着ると、とても素敵になります

歌ですが、喉で歌っている様な感じで、高音になるとややかすれた様な声になりました。とは言うものの、そんなにひどいという訳でない様に思えました。
とはいえ、ロンドンのロイヤル・オペラ・ハウスで歌うという場面がありますが、これが歌の上手いトップ娘役だったら、完全にソロで歌うんだろうなぁとも思いました。

ただ、演技は良く、華や大人の雰囲気があるので、そこをどんどん伸ばしていけば良いのではないでしょうか。

ジェームズ・モリアーティ:芹香斗亜

並外れた頭脳を持つ大学教授。切り裂きジャックによる連続殺人事件の黒幕。

内容や役柄を事前に知った状態で観たからかもしれませんが、芹香さんのやや高めの声で丁寧に話す、その姿に不気味さを感じました。サイコパスという雰囲気がいかにも出ていましたね(笑)。
こんな人が実際にいたら、もう大変ですね(大変じゃすまないか、笑)。
あと、乱れているとまではいかないかもしれませんが、前髪がやや整えられていない様に観えました。それは勿論、モリアーティというキャラクターを表す為の特徴なのでしょう。

肩書は大学教授ですが、正直そういう風には観えず、黙っていれば普通の青年という感じでした。
また、大学で教鞭を執っている場面はなく、先に書きましたが、やや高めの声だったので、それらが合わさってそう感じたのでしょう。

ウィリアムズ:寿つかさ

海軍大臣。

1番最初に下手からさん演じるアイリーン・アドラーと共に登場します。
ウィリアムズは、国家機密である大英帝国海軍潜水艦の設計図を、瀬戸花まりさん演じるヴィクトリア女王から託され、それをアイリーンに見せていました。
設計図を託されたお祝いとして、アイリーンと共にワインで乾杯します。しかし、ワインには睡眠薬が入っており、そのせいで眠らされてしまい、設計図をアイリーンに盗られてしまいました。

他にも登場する場面はありました。しかし正直に申し上げますと、他の場面ではあまり印象に残りませんでした。

マイクロフト・ホームズ:凛城きら

シャーロック・ホームズの兄で政府高官。

探偵ではありませんが、弟のシャーロックの様に推理を働かせ、それが当たるという切れ者です。
ただ、仲が悪いという訳でないですが、何か事件が起きても弟にあまり頼りたくなさそうな感じでした。

政府高官の役なので、その様な喋り方・表情(特に目の使い方)をしており、また、兄としての貫禄が出ている様に思えました。

凛城さんはこの公演を最後に、専科に異動します。同期の真風さんとは兄弟役なので、非常に接点があり、お芝居でも結構絡みがあったのが良かったですね。
宙組からいなくなるのは寂しいですが、専科に異動してもご活躍される事は間違いないでしょう。

フォン・ヘルダー:松風輝

天才機械技師でモリアーティの仲間。

眼帯を付けている役柄の為、パッと見は海賊みたいな盗賊みたいなという印象を受けました。勿論悪役(笑)。

松風さんは本当に色々な役をこなします。『神々の土地〜ロマノフたちの黄昏〜』でニコライ二世を演じた人と同一人物とは思えません。
今回のフォン・ヘルダーはちょっと荒っぽい性格で、自分の欲望に忠実という役柄です。しかし松風さんはこの役を見事にこなしていました。眼帯を付けた姿もとても似合っていて格好良かったです。

ジョン・H・ワトスン:桜木みなと

医師であり、シャーロック・ホームズの相棒。メアリー・モースタンの恋人。
ホームズを心底尊敬&信頼しています。

登場人物の殆どが何かしらの闇や影を抱えていますが、ワトスンにはそれがありません。ですので、ワトスンが登場すると舞台が明るい雰囲気になりました。

この役は桜木さんにとても似合っていました。少し関係性は違いますが『アナスタシア』で演じたヴラド・ポポフと通じる物があると思います。

天彩峰里さん演じるメアリー・モースタンとのデュエット曲では、本当に幸せ満開という感じで、暖かい気持ちになりました。

G・レストレード警部:和希そら

スコットランド・ヤードの警部。ホームズと共に切り裂きジャックの事件を解決するために奮闘します。

今作での和希さんは、いつもより低めの声を出していた気がしました。
刑事達を束ねる役目もあったので、その為に声を調整したのかもしれません。
ただ、特段、特徴のある役柄ではなかったので、役柄としての印象は正直薄かったのは否めない気がします。

和希さんは2021年12月10付で雪組へ異動します。宙組の顔だったので、異動は少し寂しいですが雪組にピッタリと合うでしょう。彩風咲奈さん・朝月希和さんのトップコンビの元で、より活躍する出来ると思います。

ヴィクトリア女王:瀬戸花まり

イギリスの女王で、シャーロック・ホームズのファン。

今作『シャーロック・ホームズ』の登場人物の殆どは地味な服装だったので、瀬戸花さん演じるヴィクトリア女王が登場すると、雰囲気が一気に豪華になったと思います。

喋り方や佇まいにも女王として高貴な品格が伴っていました

因みに今作ではシャーロック・ホームズのファンという設定になっていますが、実際にヴィクトリア女王はアーサー・コナン・ドイルの小説を読んでおり、ホームズの様な捜査を命令した事があるようです。

J・モリアーティ大佐:紫藤りゅう

ジェームズ・モリアーティの兄で、大英帝国陸軍大佐。

弟のジェームズと違って、パッと見はアブナイ感じはせず、まともで冷静な性格の様に観えました。
しかし、ロンドンの地下に密かに武器工場を作った首謀者です。この施設をジェームズに提供して、共に世界を支配しようと企てます。

ジェームズは喋り方や動作からして、ちょっとサイコパスが入っている様に観えましたが、もしかしたら、このJ・モリアーティ大佐が1番サイコパスかもしれません(笑)。

ただ、私は今作『シャーロック・ホームズ』を観て、思った事があります。それは、

紫藤さんが1番素晴らしかったという事です。

スタイルが良く端正、そして髭を付けた姿はとても素敵でした。紫藤さんが登場すると、もう紫藤さんの方に目が行ってしまいます。
特別に目立つ役柄ではないですし、「皆の者、私を見よ!!」というギラギラしたオーラを放っていた訳でもありません(笑)。それでもどうして目立つのでしょうか? 観ていて不思議な気持ちになりました。

男役全員に言える事だと思いますが、髭を付けている時と、付けていない時では印象が変わります。人によっては髭が似合わない人もいます。
しかし(私見ですが)、紫藤さんはむしろ髭を付けた時の方が、より魅力的になるのではないでしょうか
これは紫藤さんの強みだと言えるでしょう。

今後も髭を付けた役を観てみたいですね。とにかく素敵でした!

ハドスン夫人:遥羽らら

ベーカー・ストリート221Bの大家。この家にホームズとワトスンも住んでいます。

時折ホームズに振り回されていますが、結構気が利く性格で住民から信頼されています。
直接事件を解決する役柄ではないですが、ハドスン夫人が登場すると、雰囲気がほっこりしました。

この公演で遥羽さんは宝塚を卒業します。ご卒業後も新たな道でお幸せな人生を歩む事を祈っています。

フレッド・ポーロック:瑠風輝

どんな暗号でも解く天才。ジェームズ・モリアーティの仲間・・・と思っていたら、実はホームズが放ったスパイという役です。

瑠風さんは他の人達と比べるとオーラがあるので、登場するだけで目立ちました。演技や歌も安定しているので観ていて安心感がありました

メアリー・モースタン:天彩峰里

ジョン・H・ワトスンの恋人。

桜木さん演じるワトスンもそうでしたが、メアリーも登場するだけで、舞台が明るくなり華やいだようになります。
ワトスンとはとても仲が良く、幸せそうな雰囲気が満ち満ちていたのです。

桜木さんとのデュエットの歌も、とても上手く安定感がありました。今作はシリアスな部類に入ると思いますが、そんな中でも、お2人の幸せな場面は浮く事はありませんでした。

出来たら、もっと天彩さんのソロを聴きたかったです。

セバスチャン・モラン大佐:鷹翔千空

元大英帝国インド軍大佐。ジェームズ・モリアーティの仲間。

鷹翔さんも瑠風さんと同じく、登場するだけで、そこにいるだけでオーラがあったので目立ちます。また、大柄な姿は格好良く、目を引きました。
鷹翔さんはどんどん洗練されて、より格好良くなってきているのが分かります。また同時に龍真咲さんに似てきている気がしました。私はさんが好きなので、これは良い事だと思っています。

あまり台詞はありませんでしたが、今後は鷹翔さんの演技をじっくり観られる作品を観たいです。

今作『シャーロック・ホームズ-The Game Is Afoot!-』は主だった役柄以外は、あまり目立たない様に感じました。
内容はシリアスな方ですが、笑える場面もあります。ちょっとコミカルな真風さんも観られますので、結構貴重な作品になるかもしれません。

あ、繰り返しになりますが紫藤りゅうさんが、本当に格好良くて端正で素敵でした。

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ABOUT ME
霜柱
神奈川県在住の30代。ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)と宝塚(全組観劇派)が好きです。 ツイッターも行っており、気儘に呟いています。