皆様こんにちは、霜柱です。
私はこの間、『2000年代に退団した男役で、トップスターになってほしかった方々』という内容の記事をアップしました。
新人公演、バウホール、東上などで主演をしたからといって、必ずトップスターになれる訳ではありません。
むしろトップスターにならずに辞めていく人の方が多いです。
今回は2010年代に退団した男役に絞って、個人的にトップスターになってほしかった方々を書いていきたいと思います。
※因みに取り上げた方々は私の好みや主観で選んでいます。
※取り上げた方々の全ての出演作を観ている訳ではありません。
個人的にトップスターになってほしかった人達
彩吹真央
1994年に花組公演『ブラック・ジャック/火の鳥』で初舞台を踏んだ80期生。
同期には霧矢大夢さん、千ほさちさん、朝澄けいさんなどがいます。
初舞台後は雪組に配属。その後、花組、雪組への異動を経て2010年に退団。
新人公演で2回、バウホールで2回、シアター・ドラマシティで1回、日本青年館で3回主演を経験。
2007年には当時の雪組トップスター、水夏希さんを筆頭にしたAQUA5のメンバーになり、宝塚では勿論、外部からも注目されていたユニットでした。
彩吹さんは歌・演技・ダンスどれも高水準の3拍子揃った男役。特に情感や温かみがある歌や演技には惹き付けられました。
個人的に彩吹さんの出演作で好きなのは『ファントム』と『天使の季節』ですね。
『ファントム』ではエリックの父親役を演じ、春野さんと一緒に歌う「You Are My Own」は涙を誘いました。
『天使の季節』で演じたアベルタンは女装したりして、笑いを取っていました。
古巣の雪組に戻った後は、水さんの次にトップになると思っていました。恐らく大部分の宝塚ファンは同じ思いだったでしょう。
しかし『ソルフェリーノの夜明け』『Carnevale 睡夢』で辞めると聞いた時は「えっ、間違いじゃないの? フェイクニュースじゃないの?」と本気で思いました。
まさかの2番手での退団は、ファンにかなりのショックを与えたでしょう。
もし『トップスターになってほしかった男役スターランキング』みたいのがあったら、ほぼ間違いなく彩吹さんが1位になると思います。
彩吹さんが何故トップスターになれなかったのかは、他の方々が考察しているので、あえて私は書きません。
ただ、一言だけ書かせてもらうなら、花組から雪組に戻った時点で、私は「???」と思ったのです。何故なら春野寿美礼さんと水夏希さん、どちらが先に辞めるかはどう考えても春野さんですし、水さんは短期で辞めないと私は思っていました。
・・・もしかしたら花組にいた時から、トップスターへの道が少しずつ遠のいていたのかもしれません。
1作だけでも良いから彩吹さんのトップになった姿を観たかったですね。
涼紫央
1996年に月組公演『CAN-CAN/マンハッタン不夜城-王様の休日』で初舞台を踏んだ82期生。
同期には蘭寿とむさん、壮一帆さん、紺野まひるさん、月船さららさん、遼河はるひさん、美風舞良さんなどがいます。
初舞台後は星組に配属。組替えの経験は無し。2012年に退団。
新人公演で2回、バウホールで3回(その内1回はW主演)、日本青年館で1回主演を経験。
涼さんは上品で落ち着いた佇まいが持ち味だと思います。
正直、華はありませんでしたが、星組で重要な男役でした。
柚希礼音さんがトップスターになった時3番手に昇格し、2番手だった凰稀かなめさんが宙組に異動後は、涼さんが2番手(2番目?)になったと思いました。
ただ、実質は紅ゆずるさんの方が推されており、番手ぼかしの様な状況になっていたのです。
それは『ノバ・ボサ・ノバ』『めぐり会いは再び』や『オーシャンズ11』を観ていても分かります。
そんな中、『天使のはしご』では東上初主演をしました。私も実際に観に行きましたが、宝塚らしい上品さがありながらも、コメディ要素もやや入っていて面白かったです。
この様な名作がDVD化されていないのはおかしいです!
とは言っても、今からDVD/Blu-ray化する確率は0に近いでしょうね(泣)。
涼さんにもトップスターになってほしかったです。しかし先に書いた様に華に欠けており、また、「これだ!」という強みも無かった気がします。
それらが涼さんがトップスターになれなかった理由なのかもしれません。
愛音羽麗
1997年に雪組公演『仮面のロマネスク/ゴールデン・デイズ』で初舞台を踏んだ83期生。
同期には彩乃かなみさん、紫城るいさん、後述の悠未ひろさんなどがいます。
初舞台後は花組に配属。組替えの経験は無し。2012年に退団。
新人公演で1回、バウホールで4回(そのうち1回はW主演)、日本青年館で1回主演を経験。
愛音さんは歌・演技・ダンスと3拍子揃った実力派です。また、90年代の男役の雰囲気を持つ方だと思いました。
愛音さんは組替えをせず、退団する日まで花組で活躍しました。
愛音さんの出演作で個人的に良かったのは『麗しのサブリナ』のストーリー・テラーですね。特定の役ではありませんでしたが、物語を進める上でとても重要な役割を果たしていました。
真飛聖さん、蘭寿とむさんがトップの頃は3番手の立ち位置までは来ましたが、2012年『サン=テグジュペリ』『CONGA!!』を最後に退団。
涼さんと同じ様に決め手に欠けていたのが、トップスターになれなかった理由なのかもしれませんね。
悠未ひろ
前述の愛音さんと同期の83期生。
初舞台後は宙組に配属。組替えの経験は無し。2013年退団。
新人公演で2回、バウホールで1回、シアター・ドラマシティで1回、日本青年館で1回主演を経験。
悠未さんと言ったらまずはその身長でしょう。179cmという劇団随一の高さです。どうしたらこんなに身長が伸びるのでしょう。私にも教えてほしい(笑)。
背の高さでは注目されましたが、雰囲気的にはあまりにも勇壮すぎるので、悪役だったり、主人公と対立する役が多かった気がします。
また、凰稀かなめさんや北翔海莉さん、朝夏まなとさんなどの後輩に抜かされる立ち位置になり、結局トップスターになる事なく、2013年の『風と共に去りぬ』で退団されました。
出演作では個人的に『バレンシアの熱い花』 のルカノール公爵、『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』のオーベルシュタインが特に良かったです。
ルカノール公爵はいかにも悪い奴という雰囲気が出ていましたし、オーベルシュタインは何を考えているのか分からない不思議な雰囲気がありました。
このオーベルシュタインという役は悠未さんにとって、新境地を開いた役だったのではないでしょうか?
実力もあり、目を引く存在ではありました。しかし華があったかというと、それはまた別問題の様な気がします。
とは言っても、1作だけでも良かったのでトップスターになった姿、特に大羽根を背負った姿を観たかったですね。
恐らくとても迫力のある姿だったでしょう。
未涼亜希
1998年に宙組公演『エクスカリバー/シトラスの風』で初舞台を踏んだ84期生。
同期には音月桂さん、北翔海莉さん、遠野あすかさん、白羽ゆりさんなどがいます。
初舞台後は花組に配属。その後、雪組への異動を経て2014年に退団。
新人公演で2回、バウホールで1回、シアター・ドラマシティで1回、日本青年館で1回主演を経験。
未涼さんも歌・演技・ダンスの3拍子が揃った実力派ですが、何より特筆するのは歌です。
ちょっと鼻にかかった聴き惚れてしまう歌声で、未涼さんが登場すると「早く未涼さんの歌を聴かせて!」という気持ちになります。
未涼さんの出演作で良かったのは、まず『ロミオとジュリエット』のベンヴォーリオです。「どうやって伝えよう」は本当に素晴らしく圧倒されました。
『JIN-仁-』の橘恭太郎も良かったです。クールな役柄で和服も似合っていました。
雪組に異動後は3番手という位置まで来ましたが、残念ながらトップスターになる事はなく、2014年に当時の雪組トップコンビ、壮一帆さん、愛加あゆさんと一緒に『一夢庵風流記 前田慶次』『My Dream TAKARAZUKA』の公演で退団しました。
トップになれなかったのは、華に欠けていた事と、やや小柄な167cmという身長が原因だったかもしれません。
でも、歌が本当に魅力的な方です。もしトップになっていたら、その素晴らしい歌をもっと堪能する事が出来たのに・・・(泣)。
緒月遠麻
2000年花組公演『源氏物語 あさきゆめみし/ザ・ビューティーズ!」で初舞台を踏んだ86期生。
同期には凰稀かなめさん、陽月華さん、和涼華さんなどがいます。
初舞台後は雪組に配属。その後、宙組への異動を経て2015年に退団。
新人公演やバウホールなどでの主演は無し。
緒月さんは演技がとても上手く、どの様な役もこなしました。また、低音の声が魅力的なのがポイントです。
出演作で良かったのはまず『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』のヤン・ウェンリーです。軍人でありながらも、軍人や戦争を嫌っています。しかし軍人としての腕は非常に高いです。
緒月さんはこのヤン・ウェンリーという役を情感豊かに演じていました。
他に良かったのは『Samourai』のオーギュスト・フルーランス少尉です。自身の名誉や地位よりも市民や国の事を考えて動く包容力のある軍人の役で、緒月さんはとても丁寧に演じていました。
『仮面の男』のポルトスははっちゃけていて面白かったですね。
宙組に異動し、悠未さんが退団した後は3番手になりました。
新人公演やバウホールなどでは1度も主演をしてませんが、その状態で3番手までになる事が出来たのは凄いと思います。
遅咲きでも良いので、トップになる姿を楽しみにしていましたが、2015年に同期の凰稀かなめさんと共に『白夜の誓い -グスタフⅢ世、誇り高き王の戦い-』『PHOENIX 宝塚!!-蘇る愛-』の公演を最後に退団しました。
せめて、バウホールや別箱で主演を経験させてほしかったですね。
夢乃聖夏
2001年に宙組公演『ベルサイユのばら2001-フェルゼンとマリー・アントワネット編-』で初舞台を踏んだ87期生。
同期には龍真咲さん、早霧せいなさん、和音美桜さんなどがいます。
初舞台後は星組に配属。その後は雪組への異動を経て2015年に退団。
新人公演で1回、バウホールで2回主演を経験。
夢乃さんはその熱い姿が魅力的です。またダイナミックなダンスは観客を引き付ける力を持っていました。
夢乃さんの出演作というと、まず思い浮かぶのは『Shall we ダンス?』の ドニー・カーティスですね。この役は日本の同名映画で竹中直人さんが演じた役の海外版みたいな感じです。
普段はオドオドしていて仕事があまり出来ない人ですが、ダンスをすると人が変わったように熱く面白くなります。ソロもあり、とても目立つ役でした。
退団作となった『ルパン三世 -王妃の首飾りを追え!-』の銭形警部もハマっていました。とてもコミカルでルパンに振り回されている姿が笑いを誘いながらも、ちょっと可愛らしかったのが良かったですね。
早霧せいなさん、咲妃みゆさんのトップコンビの元で、より活躍すると思ってました。しかし早霧さんの大劇場お披露目公演『ルパン三世』で退団を発表されたのは本当に驚きました。
もしかすると、望海風斗さんが異動してきたからというのもあるかもしれません。
夢乃さんは実力があり見栄えもするスターです。しかし、ちょっとクセが強い部分があったのでしょう。後、あまり雪組に合わなかった様な気も・・・。
望海さんとトレードで、花組に異動していたら運命が変わっていた可能性があります。今となってはもう分かりませんが、まだ花組の方が夢乃さんに合っていたような気がします。
夢乃さんがもしトップになっていたら、とても熱い組になっていたでしょう。
春風弥里
2002年に星組公演『プラハの春/LUCKY STAR!』で初舞台を踏んだ88期生。
同期には紅ゆずるさん、朝夏まなとさん、桜乃彩音さんなどがいます。
初舞台後は宙組に配属。その後、花組への異動を経て2013年に退団。
新人公演で1回を経験。バウホールなのでの主演は無し。
春風さんは歌・演技・ダンス、どれも上手く、特に演技力が高く真に迫っていました。また、切れ長の目は時に色気があり、観る者を引き込みました。
春風さんの出ていた作品で印象に残っているのは退団作となった『愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-』のジュール・モランです。貴族を心底憎み片っ端から処刑している人物です。
ソロもあり、とても目立つ役でした。
ただ、正直な事を書くと、他の作品ではあまり春風さんに良い役や印象に残る役があてがわれていない気がします。
実力派で見た目も申し分ありません。
花組に異動したかと思ったらすぐに辞めてしまいました。ですので、もう2~3年残ってくれいたら、もう少し良い役を演じる事が出来たのではないか? そう思ってしまいます。
美弥るりか
2003年に月組公演『花の宝塚風土記-春の踊り-/シニョール ドン・ファン』で初舞台を踏んだ89期生。
同期には明日海りおさん、望海風斗さん、夢咲ねねさん、後述の七海ひろきさんなどがいます。
初舞台後は星組に配属。その後月組へ異動を経て2019年に退団。
新人公演で1回、バウホールで1回、シアター・ドラマシティで2回、日本青年館で1回、TBS赤坂ACTシアターで1回主演を経験(その内シアター・ドラマシティ1回と日本青年館は主演)。
美弥さんというと、面長で綺麗なお顔、そのお顔にある大きな目が挙げられるでしょう。
また、新人の頃は貴城けいさんに似ていると思い注目していました。
美弥さんの出演作で良かったのはショー『BADDY-悪党は月からやって来る-』のスイートハートです。男か女か分からない摩訶不思議で色気のある役で、美弥さんの魅力を存分に発揮できている作品だと思いました。
『PUCK』のダニエル・レノックスや、『1789』のシャルル・ド・アルトワ伯爵は傲慢で、主人公と対立する役でしたが、その様な役も似合っていました。
月組に異動後は、珠城りょうさんに先を越されながらも、その内にトップになると思っていました。宝塚ファンなら殆どの人がそう思った筈です。
しかし、トップになる事はなく2番手で退団。彩吹真央さんの退団を彷彿とさせ、ファンを震撼させました(←大袈裟か、笑)。
美弥さんが何故トップにならずに辞めたのかは、他の方々が推測していますし、美弥さん自身が『週刊文春WOMAN』で、それについて答えています(←私は未見)。
とは言え、1作でも良かったのでトップスターになった姿を観たかったですね。
七海ひろき
前述の美弥さんと同期の89期生。
初舞台後は宙組に配属。その後、星組への異動を経て2019年に退団。
新人公演で1回、バウホールで2回(その内1回はW主演)を経験。また、大劇場公演『風と共に去りぬ』ではヒロインのスカーレットを朝夏まなとさんと共に演じました。
七海さんが新人だった頃、「少し大和悠河さんに似ている方がいる」と思いながら観ていました。
出演作で特に良かったのはまず『TOP HAT』で演じたホレス・ハードウィックが挙げられるでしょう。とてもコミカルで観客の笑いを誘っていました。主演の朝夏さんとの息もピッタリで、七海さんの代表作だと私は思います。
もう1つは『モンテ・クリスト伯』のルイジ・ヴァンパです。眼帯を付けた姿がワイルドで格好良かったです。
私の中で七海さんは凰稀さんがトップになってから目立ってきた気がします。その後は星組に異動しましたが、6期下の礼真琴さんに抜かされてしまった状態でした。
紅ゆずるさんがトップになった時は2番手が礼さん、3番手が七海さんです。
「正直、七海さんのトップは無理かな・・・」と思っていたら、本当にその通りになってしまいました(泣)。
七海さんのトップになった姿も観たかったですが、よく考えると七海さんは歌とダンスに難があったので、それらがネックだったのかもしれません。
麻央侑希
2008年に月組公演『ME AND MY GIRL』で初舞台を踏んだ94期生。
同期には珠城りょうさん、仙名彩世さん、早乙女わかばさんなどがいます。
初舞台後は星組に配属。組替えの経験は無し。2019年退団。
主演経験は新人公演で2回、バウホールで1回(但しW主演)。
麻央さんを初めて観た時、元星組トップスターの麻路さきさんに似ていると思い注目していました。
ただ、私自身は星組のチケットを殆ど取る事が出来ず、あまり麻央さんを観れていません(泣)。
とは言っても背が高くスター性のある方だったと思います。
しかし、いつの間にか1期下の礼真琴さんや瀬央ゆりあさんに抜かされていました。
観る事はあまり叶いませんでしたが、星組の顔だった麻央さんの退団は寂しかったです。
簡単なまとめ
以上の方々が私にとってトップスターになってほしかった人達です。
彩吹真央さんと美弥るりかさんの退団は、2番手切りだと批判が結構ありましたね。勿論、2番手になったからと言って、トップになる事が出来る保障や決まりがあるわけではないでしょう。
しかし、ファンなら「ここまで来たのだから、トップになってほしかった」という強い気持ちや心情があって当然です。もうすぐでトップという所で辞めてしまったのですから。
スター街道を走っていても、トップスターになる事が出来るのはほんのわずかな方々というのが分かります。
「組を増やしたりWトップスターとかすれば、チャンスは広がる!」と一瞬考えましたが、そんなことしたら収拾がつかなくなるから駄目ですね(笑)。
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