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月組公演『ゴールデン・リバティ』役ごとの感想

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皆様こんにちは、霜柱です。

私は先日、月組公演『ゴールデン・リバティ』の感想を書きました。

今回はその作品の役ごとの感想を書いていこうと思います。

役ごとの感想

ジェシー・サンダー:鳳月杏

列車強盗団❝ワイルドバンチ❞の生き残りの役。

正直、ガンマンと言うとちょっと泥臭さというのを個人的に感じていましたが、鳳月さんのお姿にはそれを感じる事が全くありませんでした。

ロングコートとカウボーイハットが見事に似合っていたのは勿論ですが、目が行ったのは鳳月さんの足の長さですね。改めて「鳳月さんって一体足の長さどのくらいなの!?」と思ってしまいました。

見た目だけではなく歌・演技・踊りの3拍子が揃っているのも鳳月さんの強みです。

研19という学年でトップスターになりましたが、1番の遅咲きでした。
フレッシュさは無いかもしれませんが、トップスターとしての貫禄はしっかりとあります。ですので、新生月組が今後どうなるのか益々楽しみな気持ちになりました。

アナレア:天紫珠李

最初は謎の女性として登場しますが、実はツナアキ島の王女だったという役。

天紫さんは背が高く華もあるので、登場した瞬間から目を引きました。銃を構えて撃つお姿もとても似合っていましたね。最後の方の場面で披露するポリネシアダンスも、ダイナミックな踊りで逞しさも感じた程です。

鳳月さんとのバランスも良く、相性バッチリなトップコンビだと言えるでしょう。

あと、天紫さんは歌がちょっと・・・と言われている様ですが、私が観た時はちゃんと歌っていました。正直「とても上手い!」とまではいきませんが、声は出ていましたし音程も取れていました。
でも夢白あやさんも以前は歌がイマイチでしたが、『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』の時にはすこぶる上手くなっていたので、天紫さんもキッカケがあれば、更に飛躍するのではないかと思います。

ライマン:風間柚乃

保安官の役。

保安官なのにも関わらず列車強盗をジェシーに参加させようとし、最初は悪役なのかと思いました。
ですが、そこには非常に屈折した心情があり、それを表現したり吐露したりする場面は、観ていて心を震わされたのです。一筋縄ではいかない役なので、役作りをする上でかなり悩んだと思います。
しかし、風間さんは繊細な演技や歌でしっかりと観客を惹きつけていたと言えるでしょう。

黒を基調とした衣装と、カウボーイハットを少し目深に被っている姿も似合っており、実力があるだけでなくスターとしての風格も一気に備わってきている風間さん。

2番手になった現在、一層活躍される事は間違いないです。

マリー:梨花ますみ

ロングロング・サーカス団の座長の母親役。

サーカス団の座長や一員達を温かく見守る母親を演じていました。出番は限られていましたが、舞台をしっかりと締めていたと思います。

モンタナ:白雪さち花

レストラン「カーヴィーハウス」の支配人で、カーヴィーの妻、パールの母親の役。

貫禄があり何事に動じないお姿は格好良かったです。銃を構えるお姿も絵になっていて迫力がありました。

こういう女性がもし身近にいたら、男なら「姐さん、どこまでも付いていきやす!」という気持ちになるでしょう。

ホールデン/クリーブランド:春海ゆう

ホールデンはジェシーの昔仲間の役。
クリーブランドはアメリカ大統領の役。

ホールデンの時はタフさのあるガンマンを、クリーブランドの時は懐の広い大統領を演じていました。

それぞれ出番は限られていましたが、春海さんは一言一言にしっかりと感情を込めているのが伝わってきました。温かみのある演技が非常に良かったです。

今作を最後に春海さんは宝塚をご卒業します。
ゆくゆくは月組の副組長・組長を経て、後に専科に異動して活躍すると思っていたので、本当に寂しいです。

どうかご卒業後も多幸に溢れた人生を歩む事を祈っております。

フランク・モートン:夢奈瑠音

実業家ですが、自身の欲を満たす為ならどんな事でもする悪役です。

見た目は普通な感じなので、悪役というのを表現するのは大変だったと思いますが、その分秘められた冷酷さを表現出来ていたと感じました。

アルバート/カーヴィー:佳城葵

アルバートはロングロング・サーカス団の座長で、マリーの長男の役。
カーヴィーはモンタナの夫の役。

アルバートの時は皆を纏めようとしている気の良いお兄ちゃんという感じで、カーヴィーの時は明るめのちょっと軽い感じの話し方で、それぞれ異なる役作りをしていたのが伝わってきました。

どちらも出番は多いとは言えませんが、しっかりと印象に残ったのは佳城さんの演技力の賜物でしょう。

ハワード・ケイン:英かおと

将軍の役。
夢奈さん演じるフランク・モートンと同じく、自身の欲を満たす為にはどんな事もする悪役です。

難役だったと思いますが、さんは表情や態度、言動でしっかりとそれを表現していました。何よりも憎々し気な表情、傲慢な態度はあっぱれと言って良い程上手く、観る者を惹き付けただけではなく、今作での鋭いスパイスになっていたと言えるでしょう。

ですが単に勢いで演じていただけでなく、緻密に丁寧にを作っていたのが観ていて伝わりましたね。

パール:彩みちる

モンタナの娘の役。

さんはどんな役もファンタスティックに演じる事が出来ますが、今作で演じたパールも勿論良かったです。

ま~とにかく可愛いのです。舞台に現れた瞬間から釘付けになりました。
ちょっと動いただけでも可愛い。少し話しただけでも可愛い。微妙な表情の変化も可愛い。

とにかく可愛い尽くしの役だったのです。「可愛いしか言ってないじゃないか!」と言われそうですが、本当の事なのですから許して下さい。

人によってそれぞれ好みはある事は分かっていますが、今作のさんを観て少しも可愛いと感じなかったら、心がねじ曲がっているのではないか? と私は思ってしまいますね。

まぁそれは良しとして、とにかくキュートで魅力的だったさん。今作でも見事に私の心を射抜いてくれました。
Eternal Voice 消え残る想い』で演じた、非常にクセが強い性格のエゼキエルも素晴らしかったですが、やっぱりこういった可愛いらしい役をやらせたら右に出る者はいないでしょう。

もしかすると今作を観て『応天の門-若き日の菅原道真の事-』で演じた白梅を思い出した人もいたかもしれませんね。

ディーン:礼華はる

無法者の役。

礼華さんは身長が178cmあるので、ガンマンの格好がとっても似合っていましたね。背が高く足も長いので、どこにいても目立っていたのです。

彩海せらさん演じるリッキーとは良いコンビになっていましたね。

リッキー:彩海せら

無法者の役。

彩海さんはガンマンの格好でも可愛らしい感じでした。伸び伸びとした歌も聴いていて気持ち良かったです。

礼華さんとの並びも相性抜群でしたね。

アイダ:花妃舞音

ロングロング・サーカス団の人形使いの役。

人形を扱っている時に声色を使い分けていて、しっかりと人形使いをしていたのが伝わってきました。

明るさと可憐さの両方を持ち合わせている娘役ですね。

〈お芝居の月組〉は受け継がれているが・・・

緻密で真に迫った演技は本当に目を見張ります。1人1人がしっかりと役に向き合っているからこそ出来る事なのでしょう。〈お芝居の月組〉は健在!!

ただ、月組生の演技は確かに良かったのですが、今作『ゴールデン・リバティ』は個人的には「う~ん・・・」という感じで。
ですので、月組生の持っている演技力を思う存分に発揮出来なかった作品になっている。残念ながら私はそう思わざるを得ません。

それでも、今作は月組生の深い演技のお陰で成り立っていたと言って良いでしょう。もし仮に演技もイマイチだったら、あぁ目を当てられなかったかもしれません。

ある意味話題になっている『ゴールデン・リバティ』ですが、とりあえず新生月組が無事に始まって良かったです。

次回の本公演は10年ぶりに再演する『GUYS AND DOLLS』ですが、鳳月さんのスカイがどういう感じになるのか? それが今から楽しみですね。

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霜柱
ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)を聴いたり、宝塚(全組観劇派)を観たり、スイーツ(特にパフェ)を食べる事が好きです。これらの事を気儘なペースで記事にしています。 Xやインスタも気儘に投稿中。