皆様こんにちは、霜柱です。
怖い話が載っている本を探していたら『学校の怪談 黄色い本』(ポプラポケット文庫)という本を見つけました。
今回はこの本の感想を書いていこうと思います。

感想
懐かしい気持ちと新鮮な気持ち
私が通っていた小学校にも七不思議というのはありました。具体的には忘れましたが、美術室のモナリザの絵、音楽室のベートーヴェンの絵、理科室のガイコツなどが夜になると動く、というのは私が小学生の時も有名でした。今もそうなのかな?
なので、今作を読みながら「あぁ、そんな噂があったなぁ」という懐かしい気持ちと、「初めて聞いたぞ」という新鮮な気持ちの両方を味わう事が出来ましたね。
特に面白かったのは〈第八話 迷子の金次郎〉で、夜に金次郎がかけっこの練習をしている話です。怖い話なのかと思いきや・・・。
「あぁ、この学校の金次郎は大変だなぁ」という親近感を勝手ながら金次郎に抱いてしまいました(笑)。ところで金次郎は学校の外で誰かに見られずに済んだのでしょうか?
クライマックスが盛り上がった
最後の方になると、今作で登場したオバケが何人か登場します。そのオバケ達が学校に入ってきた放火犯を懲らしめる場面がありますが、ここはとても盛り上がりましたね。読んでいて手に汗を握りました。
今まで登場したオバケ達がここで、また一気に登場するというのが新鮮に感じました。ありそうでない様な気がします。
結局何者だったのか?
髪の長い女の子とショートカットの女の子(どちらも名前は不明)が、最初と最後に登場して「一番怖い怪談って知ってる?」と話をします。ただ、この2人はどうやら主人公の岸里ゆかりにしか見えないらしく・・・。
もしかすると幽霊だったのかもしれません。何かをしてくる訳ではありませんがインパクトがありました。この2人に関して詳しく書かなかった事が逆に怖さを増幅させたと思います。
あと、司書の山崎さんという人が登場します。この人は人間ですが・・・。結構謎めいています。結局、最後になってもそれはあやふやなまま。
この辺りは読者の想像にお任せという感じなのでしょう。
まとめ
タイトル通り、怖い話が載っていますが全てが「ヒエ~、怖いよ~!」という訳ではありません。怖さがありながらも笑ってしまう話もあったり、怖いというより哀しく感じる話もあります。
なので、結構レパートリーに富んでいると言えるでしょう。それだけでなく、起承転結もちゃんとしていて読みやすい構成になっているのもポイントです。
「怪談を読みたいけど、どんな本が良いのかな?」と思っている人に向いているかもしれません。