皆様こんにちは、霜柱です。

宝塚歌劇団雪組の娘役だった早花まこさんが書いた『すみれの花、また咲く頃 タカラジェンヌのセカンドキャリア』(新潮社)を読みました。

今回はこの本を読んだ感想を書いていこうと思います。

感想

9名の元タカラジェンヌへのインタビュー

本書には早花さんが9名の元タカラジェンヌにインタビューした内容が載っています。
宝塚歌劇団に入ろうと思った理由やキッカケ、宝塚音楽学校時代での出来事、入団してからの生活、退団を決めた動機、そして退団後の現在などについてがそれぞれ書かれています。

宝塚を辞めた方を「元タカラジェンヌ」と一括りにしがちになりますが、誰1人として同じ人生を歩んでいる方はいません。それぞれが自分自身の考えで将来を考えて進んでいる事が分かります。

今回取り上げられた9名に限りませんが、自分が応援している方が退団を発表すると寂しい気持ちになるのはファンなら当然でしょう。

しかし、それはファンから見た部分であり、退団を決めた本人はまた違う考えや感情を抱いている事があるという事です。

早花まこの魅力的な文

著者の早花さんも元タカラジェンヌであり、2002年~2020年まで雪組の娘役として活躍しました。

早花さんが宝塚にいた時、宝塚の雑誌『歌劇』の「えと文」や「組レポ。」を担当していた事がありましたが、退団後も「つぼ」というコラムを毎月書いています。
もう本当に読む者を惹き付ける文なのです。

技巧的とか突飛という訳ではありません。しかし、文のあちこちにある表現が的確なのです。時折ユーモアがあるのも良い。
難しい書き方ではないですが、早花さんの様な文は書けそうで書けません。

ですので、早花さんの文が好きだという宝塚ファンは多いと思います。

本書でもそれは遺憾なく発揮しており、特に仙名彩世さんの章ではそれが見事に輝いていたのです。小説の様な何かが始まりそうな出だしが読む者を一気に引き込んだ、と言っても過言ではありません。

本当に凄すぎます。

それぞれの元タカラジェンヌについて

9名の元タカラジェンヌについて載っていますが、読んで思った事を簡単に書いていこうと思います。

早霧せいな

「格好悪い自分を正面から見つめた」との事。内面の美しさを磨く事は大事ですが、早霧さんはそれが出来たからこそ、舞台上であれ程誰よりも美しくキラキラ輝いたのでしょう。

表面的/外面的なものではなく、内面から溢れるようにしないといけない、という事ですね。

また、早霧さんは

良い面の裏の、汚いもの。人間の本質が滲み出る、そういうもの。私はそれが好きだし、自分も見せたいと思っていた

本質をしっかりと大事にした方でないと、こういった言葉は出て来ないと思います。

仙名彩世

小説の様な出だしの書き方に惹き込まれました。もし小説だった「どの様な展開なるのか?」と手に汗握っていた事は間違いないでしょう。

優等生のイメージが強かった仙名さんですが、それが却って仙名さんを悩ませていた事があったとは・・・。

香綾しずる

「宝塚を辞めた後は舞台に来るのかな?」と思っていましたが、そうはならない所か一切の芸能活動をしていません。

今は、日本アジア青年交流協会で常務理事を務めており、ベトナムで日本語講師をしたりもしています。

畑違いの所に行った印象を受けましたが、誌面上からは活き活きとしているのがとても伝わってきました。

また、印象に残った言葉があります。

やるべきことをやらない上級生には、誰も付いてこないから。

徹底している感じですね。ただ、この言葉は私の耳には痛くも感じます(笑)。

鳳真由

研3までに納得のいく役が貰えなかったら辞めようと考えていたとは驚きです。

2018年に国際医療福祉大学へ入学して、2022年に卒業しました。その間も学業と芸能活動を並行していたポテンシャルに更に驚きです。

それが出来るのは「自分が楽しいと思うものをどこまでも追及すること」を実践しているからでしょう。

風馬翔

読んでいて思ったのは本当にダンスが好きなんだな、という事です。ここまでダンスに興味を持って極めようとするのも一種の才能と言えます。

それにしても、退団後に日本のあちこちで日本の踊りを見ていたとは・・・。

美城れん

パワフルさが誌面上から伝わってきました。現在、ハワイで暮らしていますが、幸せそうな感じで良かったです。

中原由貴(煌月爽矢)

霧矢大夢さん、青樹泉さんの名前が出てきた事に懐かしさを覚えました。

ビックリしたのは、退団後コーヒーショップでアルバイトをしていた事です!
もし、ファンが見たら「あの人、煌月さんに似ていない?」となっていたかもしれません。

現在は台湾で活動をしてますが、今でも明るさは健在で良かったです。

夢乃聖夏

宝塚にいた時は濃い系の熱い男役だった夢乃さんですが、現在は3児の母親となっています。

「宝塚に戻りたいとは思わないし、生まれ変わってもタカラジェンヌになりたいとは思わない」と語っていますが、これは宝塚を否定しているのではなく、もう完全に燃焼が出来、男役をとことんと突き詰めたからこそ言える言葉なのでしょう。

咲妃みゆ

るろうに剣心』で演じた神谷薫はとても魅力的でしたが、裏側でそういった事が起きていたとは・・・。

あと、役作りに関しての意見は意外に感じました。でも、そういう風に出来るのも凄いと言えます。相手の要求が何なのかを細部まで読み取れるという事なのですから。

簡単なまとめ

9名の元タカラジェンヌについての生き方が読めて良かったです。それぞれ興味深い事が書いてあり、苦悩や葛藤も人それぞれでした。

読んでいて、平伏したくなる時もあれば笑ってしまう時もありました。驚く事もあれば感銘を受ける事もありました。

そういう風に感じたのはそれそれの元タカラジェンヌが、それ程懸命に生きているという事ですが、それを早花さんの見事な文体で纏めているのも大きなポイントだと言えます。

この『すみれの花、また咲く頃 タカラジェンヌのセカンドキャリア』はシリーズ化してほしいな、と思います。それだけでなく、小説を早花さんには書いてほしいですね。
面白い作品を書けそうな気がするので。

宝塚が好きなだけでなく、元タカラジェンヌの生き方についての考えに興味がある方は読んでほしいです。

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ABOUT ME
霜柱
ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)を聴いたり、宝塚(全組観劇派)を観たり、スイーツ(特にパフェ)を食べる事が好き。これらを主に気儘なペースで記事にしています。 Xやインスタも気儘に投稿中。