月組公演『RYOFU』役ごとの感想

皆様こんにちは、霜柱です。
この間、月組公演『RYOFU』の感想をブログに書きました。
今回はその作品の役ごとの感想を書いていこうと思います。
役ごとの感想
呂布(りょふ):鳳月杏
武将の役。
安定感がある演技、歌、ダンスがとても良かったです。観ていて本当に安心感があります。
特に良かったのは、血塗られた衣装で家族も同然だった丁家の人達を斬ってしまう場面です。恐さや迫力がありましたが、同時に完全に取り払う事が出来ない悲しみや絶望を背負っている様にも感じました。
最期は毒矢に当たって亡くなってしまいますが、矢に当たった時と、その後倒れる時の動きが本当に上手かったです。
この役はかなりの難役だったと思いますが、本当に目を見張るものがあったと言って良いでしょう。
雪蓮(せつれん):天紫珠李
丁原の娘の役。
艶やかで色気があって綺麗でした。見栄えがあった役と言えます。
本作は曲者的な役が多いですが、その中で雪蓮は良心や純真を表している役だと感じました。
特に印象的だったのは董卓を討とうと決意した時の場面です。その場面は格好良さがありました。
董卓(とうたく):風間柚乃
政治家・武将の役。
ハッキリ言うと・・・
バケモノな感じの仕上がりでした(←褒めてます)。
風間さんが高い実力を持っているのは、ファンの人なら知っていると思いますが、予想を超える仕上がりだったのです。「一体、風間さんはどこまで進化をし続けるのか?」と、観ながら思いました。
表情や動作、台詞回しなどどれも緻密に作っていて、その役になっていたのです。
いえ、それどころか本物の董卓が風間さんの身体の中に入り込んでいるのでは? と思う程のリアリティがありました。
ただ、李儒が「董卓様は以前と変わってしまった」みたいな事を言うのですが、本作では董卓の過去が描かれていません。なので、何故董卓がここまで傲慢で冷酷になったのかが分からないのです。
それを少しでも良いので描いてくれたら、物語が少し分かりやすくなったかな、と思わないでもないです。
とは言っても、本作のこの役は間違いなく風間さんの代表作になるでしょう。
それだけでなく、本作の中で群を抜いてインパクトがある役でした。
王慈寧(おうじねい):梨花ますみ
王允の母親、貂蝉の祖母の役。
穏やかで優しい声が印象的でした。
特段、物語上で重要な役割を果たす訳ではありませんが、本作は血生臭い所があるので、それを軽減させる存在だったと言えるでしょう。
王允(おういん):夢奈瑠音
王慈寧の息子、貂蝉の父親、朝廷の高官の役。
風格のある佇まいに威厳を感じました。
特に印象に残った場面は、娘の貂蝉に董卓の所へ行ってほしいと頼む場面です。
内面に秘めている辛さやもどかしさ、諦めなどの感情を繊細に表現していたと感じました。
丁原(ていげん):佳城葵
雪蓮の父親、并州の刺史の役。
佳城さんって一言話すだけで「佳城さんだ」と分かる声なのが良いですよね。
役柄としては、本作の中ではまあ普通の人という感じがしました。
ただ、呂布の恐ろしさを見抜けなかったばかりに、最期が悲惨ですが・・・。
牛輔(ぎゅうほ):英かおと
董卓の側近の役。
李粛や李儒と同じ董卓陣営の仲間ですが、その2人と比べるとあまり前面には出ていない印象がありました。
李粛の様に猪突猛進でもなければ、李儒の様に分析に優れている感じでもない気がします。
特筆する様なキャラではない気がしますが、それでも英さんの安定的な演技が良かったですね。
呂布の母:桃歌雪
その名の通りの役です。登場するのは回想の場面のみでした。
ソロの歌が印象的です。
綺麗で芯のある歌声が、舞台をより際立たせていたと言えます。
最期が非常に悲しいですが、呂布の人生や考えに対して大きな決断を与えた役だと思いました。
李粛(りしゅく):礼華はる
董卓の側近の役。
董卓への忠誠心が前面に出ていました。しかし、一切何も疑問に思わず盲目的に信じてしまう事に、この役の怖さがあると言えます。
特に最後の方の場面で、意見が異なった李儒を斬り捨ててしまうのですから・・・。
本作に登場するキャラは曲者が多いですが、ある意味ではこの李粛というのは1番厄介な存在な気がします。
そんな役を礼華さんは怖さと格好良さを魅せながら、見事に演じていました。
李儒(りじゅ):彩海せら
董卓の参謀の役。
李粛とは全然違う性格・考え方のキャラです。
冷静に状況を分析していて、何とか上手く事を運ぼうとする知性派の役だったと言えます。
ただ、最期は盲目的且つ激高した李粛に斬られてしまうのです・・・。
李儒の意見に従っていたら、別の未来があったのでしょうか?
それにしても、彩海さんは本当に芸達者です。歌が特に良かったです。大袈裟に思うかもしれませんが、彩海さんの歌はいつ聴いても聴き惚れてしまいます。
演技も印象的で更に深味が増したと感じました。
丁成(ていせい)/袁紹(えんしょう):瑠皇りあ
丁成は雪蓮の兄の役。
袁紹は反董卓連合軍の役。
丁成は最初の戦いの場面で出てきます。呂布を慕っていましたが、その呂布に斬られてしまうという・・・。
何とも無慈悲な最期を迎えてしまいましたが、その様な役を瑠皇さんは体を張って表現をしていたのが印象的でした。
袁紹は後半で自己紹介的に出て来た感じで、そのくらいの印象しか無かったのが正直な所です・・・。
本作で瑠皇さんは宝塚を退団します。
まだまだ月組で活躍をするとばかり思っていたので、本当に寂しい限りです。
ご卒業後もお幸せな人生を歩む事を祈っております。
赤兎馬(せきとば):羽音みか
董卓が呂布に送った名馬の役。
ダンスだけで歌や演技は無かったですが、充分に迫力と妖艶さがありました。かなりの難役だったと思いますが、呂布の心を惑わし、且つ彼の運命を左右した役だと言えます。
この役って個人的には『マラケシュ・紅の墓標』で、鈴懸三由岐さんが演じた蛇を彷彿とさせました。
本作で羽音さんも退団しますが、第2の人生も幸多い人生を歩む事を祈っております。
丁徳(ていとく):真弘蓮
丁原の息子、丁成と雪蓮の弟の役。
出番が予想よりも多くて良かったです。ただ、最期は呂布に斬られてしまいますが・・・。
しっかりした低めの声がとても心地良く、自然な演技に魅入りました。
堅実な演技で舞台を支えていたと言えるでしょう。
呂布(過去)/孫堅(そんけん):七城雅
呂布(過去)は回想の時に出てくる役。
孫堅は反董卓連合軍の役。
まず、呂布(過去)ですが、もうかなり凄かったです!
呂布は結構冷酷で無慈悲な性格ですが、何故そうなってしまったのか?
子供の頃は賤民として生きており、周りの人から酷い扱いを受けていました。それだけでなく、ある日、母親が殺されてしまった・・・。
大雑把に書きましたが、そういった理由で呂布はその様な人物になってしまったのです。
とにかく、この場面での七城さんの表現がお見事でした。
決意をして迫力がある場面でしたが、決して感情や勢いに任せてはいませんでした。大袈裟になり過ぎず、一言一言をしっかりと噛み締めるように言っていたのです。
見事な塩梅の台詞回しや表情だったと断言します。
もう1つの孫堅の方ですが、正直に言うと、これはあまり印象に残っていません。ちょっとしか出て来なかった、且つ紹介だけで終わった様な印象を受けたので・・・。
貂蝉(ちょうせん):花妃舞音
王允と王瑤華の娘の役。
可愛らしくて華がありました。少しあどけない感じの声も特徴的でしたね。
何となくですが、本作での束の間の癒し的な存在に思えました。
出番は多くなかったですし、特段特徴がある役ではなかったですが、インパクトがあったと言えるでしょう。
劉協(りゅうきょう)/公孫瓚(こうそんさん):雅耀
劉協は劉弁の異母弟の役。
公孫瓚は反董卓連合軍の役。
まず、劉協は幼い皇帝でした。ですが、戸惑いながらも皇帝の威厳を出そうとしているのが印象的でした。職務に全然慣れていない様子をしっかりと表現していたのも良かったです。
公孫瓚は・・・正直あまり印象に残っていないです。
芝居役者ばかりの月組
本作『RYOFU』は今の月組だからこそ出来た、と言って良い作品でしょう。
月組生の演技が本当に凄かったのです。臨場感がありながらも大袈裟にならない、リアル感がありながらも単調ではない。その塩梅や溶け込みが本当に見事と断言します。
演出の栗田優香先生を始めとした、スタッフ達の手腕も大きいです。
どの作品もそうだと思いますが、特に本作は出演者とスタッフの力が一斉に合わさって、秀逸な作品に仕上がったのだ、と私は感じました。
是非とも、観てほしい作品ですね。
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