皆様こんにちは、霜柱です。
4/23に星組公演『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』『Gran Cantante!!』の幕が上がったと思ったら、公演関係者にコロナの陽性者が出てしまい、5/10まで公演が中止になってしまいました(泣)。
コロナにかかった方々は一刻も早く回復出来る様に、お祈りしています。
また、今作では天寿光希さん、音波みのりさん、華雪りらさんが退団されます。
この3名の退団は星組に留まらず、宝塚にとって大打撃です。
しかし、どの様な決断を下そうと、それはご本人の意志なので私達はそれを尊重するしかありません。
さて、今回は今作の退団者から、音波みのりさんについて書いていこうと思います。
※私見であり、中には辛辣な意見を書いている箇所がありますが、その点をご了承の上お読み下さいませ。
音波みのりの経歴
音波さんは2005年に花組公演『マラケシュ・紅の墓標/エンター・ザ・レビュー』で初舞台を踏んだ91期生です。入団時の成績は29番。
同期には、元宙組トップ娘役の野々すみ花さん、元雪組トップ娘役の愛加あゆさんなどがいます。
初舞台後は星組に配属。
可愛らしい風貌で注目を浴び、2010年バウ公演『摩天楼狂詩曲(ニューヨークラプソディー)』で華雅りりかさんとの役替わりですが、ヒロインに抜擢されます。
同じ年の大劇場公演『愛と青春の旅だち』の新人公演では初のヒロインに抜擢。
更に2011年のバウ/日本青年館公演『メイちゃんの執事』でもヒロインの座を射止めます。
その後、2011年~2012年の大劇場公演『オーシャンズ11』の新人公演、2012年の日本青年館/バウ公演『天使のはしご』でもヒロインに抜擢されています。
その後、星組で重要な娘役として活躍。
2019年の全国ツアー公演『アルジェの男』『ESTRELLAS〜星たち〜』で久しぶりにヒロインに選ばれます。
そして2022年の大劇場公演『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』『Gran Cantante!!』で退団をする事が発表されました。
トップ娘役に何故なれなかった理由
下級生の頃は完全に娘役スター街道を走っていました。新人公演のヒロインは2回、外箱でのヒロインは3回経験しています。私としては「夢咲ねねさんの次にトップ娘役になる。もしかしたら他組に落下傘という可能性もある」と予想していました。
しかし、いつの間にか後輩に抜かされてしまう。そんな状態になってしまいました。
音波さんは何故娘役スター街道から外れてしまったのか?
私なりに考えてみました。
①単純に運・タイミングが悪かった
まずはこの運やタイミングが悪かったからという理由です。
夢咲さんは2009年に星組のトップ娘役に就任し、2015年に退団されるまでの間、約6年間トップ娘役を務めていました。
夢咲さんはとても魅力的で華のある方ですが、6年も務めるとは予想しませんでした。もし、夢咲さんが3年程(2012年頃)で退団されていたら、後任は音波さんになっていた可能性が非常に高いです。
2012年頃ならまだ、後輩の妃海風さんや綺咲愛里さんは台頭してきていません。
この時なら本当にタイミング的にバッチリだったでしょう。
トップ娘役になれるかなれないかは、結構運やタイミングに左右される所があります。
音波さんは、トップ娘役になる為の運やタイミングに恵まれなかったうちの1人と言えるでしょう。
②身長が低すぎた
音波さんの身長は160cmです。この身長というのも関係していると思います。
勿論過去には身長が160cm以下でもトップ娘役に就任した方はいます。
しかし、最近のトップ娘役の方々は身長が高めな気がします。この身長という点もネックだったのかもしれません。
試しに2012年から2015年の間にトップ娘役に就任していた方々(敬称略)とその身長を挙げます。
- 花組:蘭乃はな(165cm)、花乃まりあ(163cm)
- 月組:蒼乃夕妃(164cm)、愛希れいか(167cm)
- 雪組:舞羽美海(160cm)、愛加あゆ(161cm)、咲妃みゆ(160cm)
- 星組:夢咲ねね(165cm)
- 宙組:野々すみ花(161cm)、実咲凜音(163cm)
舞羽さんと咲妃さんの身長は音波さんと同じ160cmですね。
ただ、舞台やDVDを観て思ったのですが、舞羽さんや咲妃さんは小柄でも、それを感じさせないのです。残念ながら、音波さんは小柄というのを感じてしまうのです。勿論そんな事は些細な事ですし、観ていて小柄だと感じさせるのが悪いとは思いません。
これは説明するのがとても難しいのですが、例え身長が低くても低く見せない力が舞羽さんや咲妃さんにはあったのだと思います(相手役に恵まれたというのもあるでしょう)。
また、音波さんが星組ではなく、雪組に配属されていたら、運命が変わっていたかもしれませんね。(①の理由と少し被りますね)。
③合う相手役がいなかった
②の理由とちょっと被る所がありますが、音波さんにパッと見て合いそうな男役がいなかったというのもあるかもしれません。
ここで2012年から2015年の間にトップスターに就任していた方々(敬称略)とその身長を挙げてみます。
- 花組:蘭寿とむ(170cm)、明日海りお(169cm)
- 月組:霧矢大夢(167cm)、龍真咲(171cm)
- 雪組:音月桂(166cm)、壮一帆(170cm)、早霧せいな(166cm)
- 星組:柚希礼音(172cm)
- 宙組:大空祐飛(170cm)、凰稀かなめ(173cm)
う~ん、正直音波さんに合いそう方はいませんね。強いて言えば、明日海さん、音月さん、早霧さん辺りでしょうか?
今、この3名と音波さんを組み合わせたのをそれぞれ想像(妄想?)してみましたが、何か違いますね。明日海さんとならギリギリ合いそうな気はしなくもないですが・・・。
因みに新人公演では、芹香斗亜さん、真風涼帆さんと、別箱なら夢乃聖夏さん、紅ゆずるさん、涼紫央さんと組んでいます。
芹香さんと真風さんは音波さんより後輩なので、候補からは完全に外れます。では夢乃さん、紅さん、涼さんとならどうだったか?
まず夢乃さん、紅さんとは似合っていなかった感じがしました、背丈のバランスや雰囲気があまり噛み合っていない様に思えたのです。
涼さんとは合っている気がしました。しかし涼さんは2012年に退団をされてしまいました。涼さんは当時、一応星組の2番手という位置についていましたが、実質は紅さんに抜かれていた状態です(現在の花組の水美舞斗さんの様な感じ)。
もし涼さんが退団せず残ってくれていたら、音波さんがトップ娘役になれる可能性もまだ残っていたかもしれません。
(ただ当時、星組では紅さんをとても推していたので、涼さんのトップは無理だったと思います。私としては1作品でも観たかったですが(泣)。)
④実力・スター性が中途半端
音波さんの実力や見た目からも考えてみたいと思います。
まずは歌です。
・・・・・・。正直上手いとは言えません。DVD/Blu-rayで見ただけですが、まず『メイちゃんの執事』では声が裏返っていました。『アルジェの男』では音程があやふやでした。
演技は下手ではないですが、とても上手いかというと、そこまではいかないです。
技術面ならダンスが1番上手いです。音波さんのダンスは滑らかで美しいです。しかし・・・突き抜けているレベルかというと違う気がします。
そして、見た目。可愛らしい風貌で研18になった今もそれは失われておらず瑞々しいままです。
だからこそ全国ツアー公演『アルジェの男』『ESTRELLAS〜星たち〜』でヒロインに選ばれたのでしょう。
しかし可愛らしいと言っても、それもまた突き抜けているとは言えない気がします。
こう見ていくと音波さんは色々惜しい所が多い気がします。
勿論3拍子揃って、見た目も良くなければトップ娘役になれないという訳ではありません。
歌やダンスが下手でもトップ娘役になった方はいます。
例えば歌に難ありの方を挙げるなら、檀れいさん、陽月華さん、桜乃彩音さん、蘭乃はなさんが思い浮かびます。この4名は何故トップ娘役になれたのか?
この4名は歌の下手さを補う程の突出した物があったからです。
まず檀さんはもうその美貌ですね。楊貴妃の再来と言われる程の美しさです。どこにいても目を引きます。
陽月さんは檀さんとは違うキリっとした美しさを持っています。また、ダンスがとてもキレがあります。美しいスカート捌きが誰よりも出来るというのも強みでしたね。
桜乃さんも見た目が良いです。どこにいても目に付く上品さや嫋やかさを持っています。母性本能をくすぐられる不思議な魅力がありました。
蘭乃さんは正直、美しいという感じではありませんが、キリっとした雰囲気を持っています。また、ダンスがとても上手く、力強くも滑らかです。それだけでなく相手役だった真飛聖さんとの並びもバランスが取れていました。
だからこそこの4名はトップ娘役になれたのでしょう。
演技が上手くなかったトップ娘役は・・・私の中では思い浮かびませんね。
ダンスが上手くなかった方では、檀れいさん、華優希さんが思い浮かびます。
檀さんは先述の通りです。
華さんのダンスはハッキリ言って、ただ動いているだけの様な感じで綺麗ではありませんでした。しかし、華さんはまず見た目からしてとてもキュートです。可愛らしさ・健気さなどを持ち合わせています。それだけでなく。演技力が群を抜いています。華さんの演技は「憑依したのか?」というぐらい、その役になりきっています。
これらが華さんの強みだと言えるでしょう。
見た目がイマイチでトップ娘役になった方・・・。
思い浮かびますが、誰なのかはあえて書きません。ただ、実力をしっかり伴っていた事と、相手役との相性も非常に良かった。だからトップ娘役になれたのだろう、とだけ書いておきます。
歌・演技・ダンス・見た目。何かしらに課題があった方がトップ娘役になる事が出来たのは、それを補う程の、突き抜けた物を持っていたからです。
そう考えると、音波さんがトップ娘役に選ばれなかったのは、実力やスター性がちょっと今一つだったいうのも考えられるのではないでしょうか?
過去にも音波みのりと似た様な方がいた
音波さんの事を書いていたら、過去にも似た様な方がいたのを思い出しました。
その方は、元月組副組長、花瀬みずかさんです。
花瀬さんは1995年星組公演『国境のない地図』で初舞台を踏んだ81期生です。
入団時の成績は16番。
同期には大和悠河さん(元宙組トップスター)、真飛聖さん(元花組トップスター)、ふづき美世さん(元花組トップ娘役)、舞風りらさん(元雪組トップ娘役)、専科で活躍中の悠真倫さんなどがいます。
花瀬さんはバウ公演のヒロインを1回、新人公演のヒロインは何と5回も務めています。
その部分だけ見ると、娘役スター街道を一目散に走っていたのが伺えます。当時の月組トップ娘役、檀れいさんの後任にも名前が挙がっていたでしょう。
しかし檀さんの後任に選ばれたのは、星組から異動してきた映美くららさんでした。
映美さんは花瀬さんより4学年下です。後輩に後釜を取られてしまった状態になります。
また、花瀬さんは新人公演卒業後、外箱公演でヒロインに選ばれる事はありませんでした。
映美さんがトップ娘役に就任した時点で、トップ娘役への道は突如絶たれてしまったという事です。
そんな花瀬さんでしたが、2008年に何と月組の副組長に就任します。新人公演やバウでヒロインを務めた方が、副組長になるのは非常に珍しい事ではないでしょうか?
副組長になられた時は驚きでしたが、月組の顔とも言える花瀬さん。その内に組長になって月組を纏めていくと思っていましたが、2013年の『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』で退団されてしまいました。
副組長になるまでは正直「良い役に恵まれていないし、もしかしたらその内に退団してしまうかも」と予想していました。しかし副組長に就任した際「ここまで残ってくれたのだから、もう辞めるなんて事はないだろう」と思っていたので、退団は本当にショックでした。
花瀬さんの退団は、私にとって月組の一時代が終わった様な出来事でした。
花瀬さんは上品な見た目で美しく華がある方です。新人公演のヒロインは5回経験しています。
それなのに、何故トップ娘役になれなかったのか?
私が思うにまず、運とタイミングに恵まれなかった。それだけでなく、実力に課題があったからでしょう。
まず歌は正直言って上手くありませんでした。
演技やダンスは悪くはなかったですが、引き付ける程の実力を持っていたかというと、残念ながら違います。
そういった諸々が重なって、トップ娘役の座に就けなかったのだと思います。
音波みのりがトップ娘役にならなくて良かった点もある
新人の頃は娘役スター街道を走りながらも、後輩に抜かされてトップ娘役に就く事は出来なかった音波さん。音波さんがトップ娘役になった姿を観たかったという方は多いでしょう。
私もその内の1人です。
1作品でも良いので音波さんのトップ娘役の姿を観たかった!
トップ娘役になれなかったのは残念ですが、逆にトップ娘役にならなくて良かった点が1つあります。
それは、トップ娘役にならなかったからこそ宝塚に長く在籍してくれた、という事です。
トップスターもそうですが、トップ娘役に就任したら、いつか必ず辞めないといけません。しかし、そうでないなら定年までいる事が出来ます。
もし音波さんがトップ娘役になっていたら、とっくのとうに退団していました。
トップ娘役に就かなかったからこそ、音波さんの出演する作品を沢山観る事が出来たという見方も出来ると思います。
ただ、私としては、音波さんは花瀬さんの様に副組長に就任し、同期の天寿光希さんが組長になって、星組を支えていくというのを期待していたので、そうはならなかったのが残念な点ではあります。
星組の顔だった音波みのりがいなくなるのはとても寂しい
音波さんは組替えをせず、ずっと星組にいました。生粋の星組生で、星組の顔とも言える音波さんの退団は本当に寂しいですしショックです。
最後の作品『めぐり会いは再び next generation-真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)-』『Gran Cantante!!』は宝塚大劇場で公演中でしたが、公演関係者にコロナの陽性者だ出た事により5/10まで公演が中止になりました(泣)。
その前の瀬央ゆりあさんが主演を務めた別箱公演『ザ・ジェントル・ライアー』では、バウがコロナにより全日程公演中止になり、KAAT神奈川芸術劇場では公演自体は出来たものの音波さん自身が全日程休演となり、出演する事はありませんでした。
とても悔しい気持ちになったと思います。
しかし、ここで退団をされるという事は、心残りは無いのかもしれません。
音波さんが退団後にどの様な事をされるか分かりませんが、最後まで応援をしています。
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