皆様こんにちは、霜柱です。

この間、花組公演『蒼月抄-平家終焉の契り-』の感想をブログに書きました。

今回はその作品の中で印象に残った役の感想を書いていこうと思います。

役ごとの感想

平知盛:永久輝せあ

平清盛と時子の息子、重衡の兄、教経の従兄弟、明子の夫の役。

和装がとても似合っていましたね。キリっとして端正な佇まいと青い和装は観客の目を引きつけました。

歌、演技、ダンスなども皆光っていました。
特に星空さん演じる明子と話す時は優しい感じのジェントルマンの様に、戦場では肝が据わった立派なリーダーの様に、緻密な演技をしっかりとしていたのが良かったです。

特に、壇ノ浦の戦いの場面では鬼気迫っていた動きや表情が堪らなかったです。

この作品は間違いなく永久輝さんの代表作になると言っても良いでしょう。

明子:星空美咲

平知盛の妻、藤原忠雅の娘の役。

星空さんも和装が似合っていて佇まいが美しかったです。ビジュアルだけでなく、声が本当に良いです。透き通っていて可憐でありながらもしっかりと芯があってブレない力強さもある。
ですので、ずっと聴いていたい気持ちになります。耳福とはこのことを言うのでしょう。

言わずもがな、ソロでの歌は聴き入りました。もっと歌ってほしい気持ちになった事も言うまでもありません。

平重衡:聖乃あすか

平清盛の息子、知盛の弟、教経の従兄弟の役。

登場した瞬間、貴公子の様な雰囲気のある佇まいに目が引かれました。口調も他の登場人物と比べておっとりしている感じです。雅な要素が高いキャラだと言えるでしょう。

安定した演技、歌やダンスも良かったです。

ただ、一ノ谷の戦いの場面の後、暫く出番が無かったのはちょっと寂しかったです。まあ捕らえられていたので仕方がないのですが…。

平教経:極美慎

知盛・重衡の従兄弟の役。

登場して驚いたのは声です。
少しばかり潰して猛々しい感じになっていたのです。なので、最初聴いた時は「誰が話しているんだろう?」と感じましたが、極美さんだと分かってビックリ!

もしかしたら目を瞑って聴いたら、極美さんだと分からないかも。
ここまで作り込んだ事に拘りを感じました。

それだけでなく演技も良かったです。
特に一ノ谷の戦いで満身創痍の状態の中、平重衡の言付けを伝える場面は見どころだと感じました。迫力のある極美さんの演技に言葉を失った方も多い筈。

また、本作は極美さんにとって花組生になってから初めての大劇場の作品。
「花組に合うかな?」と思っていましたが杞憂でした。しっかりと花組に馴染んでいました。

あと、以前から言われていると思いますが、極美さんって壮一帆さんに似ていると言われています。本作ではそれを強く感じました。
どこがと言われると表情、特に目線とかがさんを彷彿とさせた気がしましたね。

平清盛:英真なおき

太政大臣で、知盛・重衡の父親の役。

舞台上で座っているだけで、迫力、威厳、威圧感などのオーラが放たれていました。
これはもう流石としか言いようがないです。

しかしそれだけでなく、子供の頃の知盛といる回想のシーンでは、優しい父親という表情を見せており、細かく役作りしていると感じました。

歌も少し聴けたのが嬉しかったです。

時子:美風舞良

清盛の妻、知盛・重衡の母親の役。

平家の妻という覚悟がしっかりと伝わってくる役でした。

特に、一之瀬さん演じる平宗盛が降伏しようとした時には、それを戒めており、場を一気に引き締めていました。

特異なキャラではありませんが、場面場面でスパイスの役割を果たしていたと言えるでしょう。

藤原忠雅:紫門ゆりや

明子の父親の役。

役柄的には正直特徴がある感じではありませんでした。
しかし、公家が武家の顔色を窺わないと生きていけないという事を表す重要な役だったと思います。

だからこそ、平家が落ち目の状態になった時、明子に「戻ってこないか?」みたいな事を言ったのでしょう。

因みに私は紫門さんの声も好きです。本作でも少しハスキーで落ち着きのある声が聴けて良かったです。

平宗盛:一之瀬航季

知盛の兄の役。

ちょっと頼りないが優しい兄というのを体現していました。

ゆったりとした温かみのある声が印象的でしたね。

梶原景時:侑輝大弥

源氏の副将の役。

勇ましさのある役で、髭をつけた姿も似合っていました。イケオジみたいな雰囲気はありましたが、いつもよりも色気は抑えている様に思えました。
でも、魅力的なのは変わらないです。

ところで、侑輝さんは前作の大劇場作品『悪魔城ドラキュラ』ではサキュバスを演じていたんですよね・・・。

果たして、この地球上にサキュバスと梶原景時という全く違うキャラを演じる事が出来る方って、どのくらいいるんでしょう?

四条局:朝葉ことの

後年の明子の役。

壇ノ浦の戦いから40年後の姿を演じていますが、しっかりと年相応の雰囲気が出ており、声も少しばかりしゃがれた感じになっていたのが印象的でした。

予想よりも出番があり、台詞や歌も多く聴けたのが嬉しかったです。
特に迫力のあるソロは聴いていて背筋がピンとなりました。

源義経:希波らいと

源氏の総大将の役。

私の思い込みもあったでしょうけれど、義経って繊細で知的なイメージがありました。しかし、本作での義経は予想よりも煽り能力が高い性格になっていたのです(笑)。

ですが、そうした事によってキャラ立ちがしっかりと出来たと言えるでしょう。
戦場での場面は勇ましかったです。希波さんの見栄えある姿が目を引きました。

あと、観終わって思ったのは、この義経がもし現代にいてSNSをしていたら、間違いなく炎上しただろうな、という事です(笑)。

徳子:美羽愛

清盛と時子の娘、知盛の妹の役。

あくまで本作での話ですが、正直、美羽さんの和物はあまり似合っていなかった様な・・・。

多分、メイクが他の出演者と比べて仕上がりが「う~ん・・・」みたいだったからかもしれません。

とは言っても、それでも可愛らしくて凛とした声は良かったです。

平知章:美空真瑠

知盛と明子の息子の役。

先に書くと、

本作で特に印象的で大喝采したいのは美空さんです。

一ノ谷の戦いで最期を迎える場面は涙無しでは観れないでしょう。

美空さんは全身全霊、渾身の力でその場面を演じていたのです。緊迫感や力強さ、決死の覚悟などがビシバシと伝わってきました。

「喉が張り裂けるんじゃないか?」「舞台上で倒れてしまうじゃないか?」と思わせる程の凄さだったのです。

美空さんの役者魂がこれでもかという程輝いていました。この場面は特に生で観てほしいですね。

後高倉上皇:希蘭るね(代役)

40年後の守貞親王の役。

穏やかで優しい感じの口調が印象的でした。大人になってからの姿を表現しただけでなく、人生の酸いも甘いも嚙み分けて、そこに儚さや哀れさなどをしっかりと体現していたと言って良いでしょう。

この役は本来は天城れいんさんが演じる事になってましたが、私が観た時は休演していました。
天城さんを観れなかったのは寂しかったですが、同時に、この役を代わりに演じた希蘭さんも本当に見事だったと感じました。

代役とは思えない出来栄えです。

安徳天皇:花海凛

徳子の息子の役。

彩葉さん演じる守貞親王と比べると大人しめの役でした。
印象的な役ではなかったと思いますが、ほんわかした雰囲気は舞台に和みを与えていた気がします。

守貞親王:彩葉ゆめ

安徳天皇の異母弟の役。

無垢な腕白小僧という感じでした。

しかし、ただ可愛らしい少年というだけでなく、ふと見せる表情に品がありましたね。そこがポイントだと言えるでしょう。

それにしても、彩葉さんは目を引く存在だと改めて思いました。

芝居心を極めた花組生

お芝居が上手い組というと、月組や雪組が思い浮かびます。特に月組は「お芝居の月組」と言われる程、演技が緻密でリアリティに溢れています。

そんな中、本作は間違いなく「お芝居の花組」を示す事が出来たと断言しても言い過ぎではないと感じました。

エンジェリックライ』の時とは大違いです。

平家物語をベースにした作品だからというのもあるかもしれません。ですが、そういう作品は場合によって、マンネリ化や陳腐化になりやすい危険があります。

しかし、そう言った事には陥らず、むしろ劇的にしっかりと描く事に成功し、出演者である花組生の芝居心が更に開花した作品になった、と言って良いでしょう。

ですので、永久輝さん率いる今後の花組がどの様にお芝居をするかが、とても楽しみになりました。

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霜柱
ハードロック/ヘヴィメタル(特にメロハー・メロスピ・メロパワ・シンフォニック)を聴いたり、宝塚(全組観劇派)を観たり、スイーツ(特にパフェ)を食べる事が好き。これらを主に気儘なペースで記事にしています。 Xやインスタも気儘に投稿中。